テープからクラウドアーカイビングへの移行は現実的?クラウドベースのアーカイビング導入検討のポイント【後編】

比較的高価な自社のアレイに古いデータを保存している企業にとって、クラウドベースアーカイビングは魅力的であろう。一方、テープベースのアーカイブをクラウドベースに切り替えるのはメリットがあるだろうか。

2012年10月09日 08時00分 公開
[Phil Goodwin,TechTarget]

 前編「クラウドベースのアーカイビングで気を付けるべき8つの要素」では、クラウドアーカイビングベンダーの選ぶ上で検討すべきサービスレベルの要素について解説した。後編では、テープからクラウドアーカイブへの移行を検討する。

テープからクラウドアーカイブへの移行

 比較的高価な自社のアレイに古いデータを保存している企業にとって、クラウドベースアーカイビングが魅力的であろうことは明らかだ。これに対し、テープベースのアーカイブをクラウドアーカイブに切り替えるのが理にかなっているかどうかは、疑問の余地がある。大企業は、何万本ものテープをオフサイト施設に保管しているかもしれない。これらのテープを全てクラウドプロバイダーの施設に送り、クラウドアーカイブインフラのストレージにデータを移すのは、途方もない作業だ。また、この前提条件は、全てのテープの読み取りに必要なハードウェアをプロバイダーが持っていることだが、テープの一部は旧式のフォーマットかもしれない。さらに、クラウドプロバイダーがそうした膨大なデータを、倉庫でのテープ保管に近いコストでホストする方法はなさそうだ。ディスクの圧縮やデータの重複排除は、ホスティングの効率化に大いに役立つが、やはりクラウドアーカイブの方がテープよりもコストが大幅にかさむだろう。

 しかし、テープからクラウドアーカイビングへの移行はハードルが高いものの、検討する余地はありそうだ。

 7年以上前のテープをリストアするとなると、コストが非常に高くつきがちで、問題にぶつかる可能性もある。ベストプラクティスとされているのは、5年ごとに既存テープからデータを読み出し、新しいテープに書き込み直すことで、データを読み取れる状態を維持し、フォーマットを最新のものにする方法だ。だが、この作業に関しては、負荷の大きさを考慮に入れる必要がある。

ITmedia マーケティング新着記事

news165.jpg

デジタル広告の不正被害 年間推計1667億円超え
Spider Labsが「2023年アドフラウド調査レポート」を発表しました。

news152.jpg

イーデザイン損害保険が「事故のない世界の共創」に向けて構築するデータ基盤
従来の自動車保険の在り方を根本から見直して新たな体験価値の提供に挑むイーデザイン損...

news082.jpg

生成AIはGoogle検索をどう変えたのか?(無料eBook)
モダンマーケティングの最新トレンドを無料eBookにまとめてお届けするこのシリーズ。今回...