TechTargetジャパンが実施したストレージ利用状況の調査では、今後導入予定または検討中の機能として「ストレージ仮想化」が最も多く挙げられ、現状の不満を解消できる方法として期待されていることが分かった。
TechTargetジャパンは2013年5月20日から6月23日まで、読者会員を対象に「ストレージの利用状況に関する読者調査」を実施した。調査結果からストレージシステムの導入・検討状況、選定ポイント、現在抱える課題などが明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロード可能)。
目的:企業のストレージ利用状況を確認するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2013年5月20日(月)~6月23日(日)
総回答数:257件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
導入しているストレージ環境の種類を聞いたところ、全体の69.8%が「バックアップ/リカバリ環境」を構築済みと回答。「NAS(Network Attached Storage)」(65.7%)、「テープ装置」(38.4%)と続く。また、導入を検討中の環境としては「SAN(Storage Area Network)」(20.8%)が最も多く、「リモートバックアップ環境」(11.8%)、「バックアップ/リカバリ環境」(11.0%)と続いた。
自社におけるストレージ関連技術や製品、管理方法の導入・検討状況を聞いたところ、導入済みの技術は「共有ファイルシステム」(53.1%)、「ストレージの二重化/冗長化」(41.5%)、「データの圧縮」(25.7%)が上位に挙げられた。
今後、導入予定または検討中の機能やサービスとしては、「ストレージ仮想化」(19.9%)が最も多く、「共有ファイルシステム」(18.7%)、「データ重複排除技術」(17.0%)と続いた。
現在導入している製品の満足度については、「とても満足している」「ある程度満足している」を合わせると46.0%と半数近くを占めた。一方、「どちらかというと不満がある」「不満がある」を合わせると13.3%となった。
不満に感じている具体的な理由は「データ量の増加への対応、今後対応できない可能性がある」(40.6%)が最も多い。また、「バックアップ処理に時間がかかる」(37.5%)、「運用・保守における人的負荷やコストが大きい」(31.3%)と続く。ストレージの容量や処理性能、コストに関して不満が多いことが分かった。
ストレージ環境で特に重要視するポイントを聞いたところ、「費用対効果」(50.2%)が最も多く、「導入のしやすさ」(41.1%)、「データ保護機能」(40.2%)、「バックアップ/リストア処理の性能」(39.8%)などが上位。現状の不満として多く回答があった項目の中で、「事業継続計画(BCP)/災害対策(DR)」を重視するという回答は他項目よりも少なかった。不満はあるものの、優先順位が高いとはいえない状況にあると推測される(関連記事:企業のディザスタリカバリ対策は機能したか?)。
ストレージ仮想化の導入状況については、「導入済み」「試験的に導入」を合わせると、全体の約4分の1がストレージ仮想化を導入していることが分かった。
ストレージ仮想化に期待する効果を聞いたところ、「ストレージ容量不足の解消」(39.3%)が最も多く、「ハードウェア初期導入コストの削減」(33.9%)、「運用管理の簡素化による運用管理コストの削減」(33.5%)と続いた。先述の不満に感じている理由で上位に挙げられた容量やコストに関する解決策として、期待されていることがうかがえる。
今回の調査では、「保有データ量の傾向/増えているデータの種類」「クラウドストレージの利用状況」に関するアンケートも実施した。その詳細な結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性も紹介されている。ぜひ参照されたい。
TechTargetジャパン会員を対象にした「ストレージの利用状況に関する読者調査」を実施。本リポートでは、ストレージの利用状況や導入済みの製品、製品の満足度、運用上の課題などをまとめている。
調査結果リポートのダウンロードページへ (TechTargetジャパン) |
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