中小企業は大企業よりBYODに積極的
2014年は中小企業の「私物スマホ解禁元年」に 4000人のITプロに調査
従業員が仕事で使うスマートデバイスを支給するか、それとも従業員の私物を利用させるか。世界のITプロ4100人に聞いたところ、大企業と中小企業では考え方に違いがあるようだ。
2014年は、世界各国の企業が従業員へのモバイル端末支給を増やし、職場へのモバイル浸透は一層進む見通しだ。
米TechTargetは、2014年に向けた優先課題とIT動向を探るため、各国のITプロフェッショナル4100人余りを対象に調査を実施。企業のモバイル化と、それがIT部門とエンドユーザーの日常生活に果たす役割の変化について尋ねた。
ITプロフェッショナルの回答からは、企業がハードウェアへの投資を増やす一方、バックエンド管理やモバイル向けのアプリケーション開発への投資は増やしていない実態が判明した。
私物端末の業務利用(BYOD)導入の状況と、ハードウェアやソフトウェアについて従業員にどのような選択を認めているかについては、大企業と中小企業の間で差があることも分かった。
2014年のモバイル端末動向
企業のモバイル化は、年を明けてさらに進展しそうだ。回答者の73%は、「2014年に、会社からモバイル端末を支給する従業員は増える」と答えた。米モバイルエンタープライズコンサルティング企業Paladorのモバイルアナリストであるベンジャミン・ロビンズ社長は、この傾向について、「モバイル化に伴うコストよりも、モバイル化しないコストの方が問題になっている」と述べ、「勝者となる企業は、モバイル端末の導入が早い」と指摘する。
2014年に導入を計画しているモバイル関連プロジェクトは、スマートフォン(41%)とタブレット(40%)を筆頭に、モバイルデバイス管理(MDM、32%)、モバイルセキュリティ(31%)、会社のアプリとデータのモバイル対応強化(22%)、モバイル仮想化(12%)の順だった。
ロビンズ氏や、米VDC Researchの上級モバイルアナリスト、エリック・クライン氏のようなモバイル業界の専門家は、この結果に意外性はないと話す。
「ここで大きなマイナスは、モバイル端末の支給増加により、最大のチャンスが見過ごされつつあるということだ。チャンスはアプリにある。アプリこそ、企業が投資を利益に結び付ける手段だ」とクライン氏。
米TechTargetの調査では、モバイル向けの企業アプリとデータの設計は、モバイル分野のプロジェクトの中で5番目の位置付けだった。これは、モバイルアプリ開発に関して企業が初期の段階にあることを裏付けるものだとクライン氏は指摘し、「まだモバイル端末で生産性を高めるために十分意味のあることはできていない。だがそこに到達しつつある」と話す。
大企業ほどBYOD対応に遅れ
調査ではまた、大企業は中小企業に比べ、モバイル採用の一環としてのBYOD対応が遅れている実態も浮かび上がった。
従業員1000人以上の企業のITプロフェッショナルにスマートフォンの導入予定を尋ねたところ、会社支給と私物端末を組み合わせるとの回答が42%、全て会社支給が40%、エンドユーザーに個別のスマートフォンの選択を認めるという回答は17%だった。
一方、同じ質問に対して従業員100人未満の企業では状況が逆転し、38%がエンドユーザーに個別のスマートフォンの選択を認めると回答。全て会社支給は32%、両方の組み合わせは30%だった。
大企業でBYODの採用が進まない理由について前出のロビンズ氏は、「小規模企業の方が不安感が少ない。大きなリスクを取って、大きな見返りを得る可能性がある」と解説する。
また、従業員100人未満の企業の多くは、社内にIT専門の部署がないことから、必要に駆られて個人にBYODを選択させている面もあるようだ。
モバイル端末の動向として、「従業員が私物端末を選ぶことを認める予定だ」という企業は多数に上っており、BYODは企業の間で浸透しつつあるようだ。
導入中または導入予定のプロジェクトに関する質問では、「従業員による私物端末の購入を認める」が54%、「私物タブレットの購入を認める」が38%、「会社のネットワークに接続して使う私物ノートPCやデスクトップPCの購入を認める」は32%だった。
これと比較して、データ保護/転送ツールやアプリ、メールについては、従業員に自分で選ばせるという企業は少なく、調査ではいずれも20%に満たなかった。
クライン氏は、「ノートPCやデスクトップPCについても、これほど大きな割合で私物利用を認めているのはやや意外だった」と前置きしつつ、「新世代の従業員が増える中で、仕事をこなすために個人の選択を認める必要性は、この先も薄れることはない」と予想する。「ユーザーは端末への思い入れが非常に強い。使い慣れた自分の端末から離れたくないと思っている」
従業員向けのタブレットを導入する主な目的については、「エンドユーザーに会社のネットワークを使わせるために使用」が52%、「現場の従業員のための専用端末の導入」が27%、「業務内容が限られる人員のコスト削減」が21%だった。
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