Microsoftは、これまでもWindowsを中心に据えた戦略から、モバイルデバイスを含めたクロスプラットフォーム戦略へと大きく転換を図っている。その姿勢は、ますます鮮明になってきた。
米Microsoftは、Windowsを中心とした戦略から、モバイルデバイスを含めたクロスプラットフォーム戦略へとかじを切り始めている。
事実、同社のパートナー企業向け年次カンファレンス「Worldwide Partner Conference(WPC)2014」では、Windowsの次期版については「開発中」と述べるにとどまった。
WPC 2014に参加するパートナー企業各社は、Windows以外のプラットフォーム対応を進める同社の戦略変更と取り組みについて、全体的に満足している様子だ。
「Microsoftは、後発であっても先発の競合を追い抜く驚異の能力を持っている」と私立工科大学の米ITT Technical Instituteで教育担当ディレクターを務めるデビー・マレージョン氏は話す。
Microsoftはクラウドサービス「Microsoft Office 365」に注力する姿勢をあらためて強調した。iPad向けOfficeアプリ「Office for iPad」が示すようなクロスプラットフォームへの対応、同社サービスおよびモバイルデバイス管理機能の統合といった取り組みを明らかにしている。
Office 365は年間で推定25億ドルの売り上げをもたらしている、と同社は説明する。
クラウドベースのOffice 365は、ワークスタイルが変化し、デバイスの利用形態が多様化している状況において、非常に利便性の高いプラットフォームである、と金融業界向けソリューションを提供するMicrosoftパートナー、英Foxwarpで最高経営責任者(CEO)を務めるスティーブ・マクドナー氏は話す。
サトヤ・ナデラ氏がMicrosoftのCEOに就任してから6カ月、同社は「モバイルファースト、クラウドファースト」という戦略の指針を継続的に示している。ナデラ氏は先日、従業員にメールを送付し、そこで「プロダクティビティ(生産性)」に注力し、「デジタルな仕事と日常生活の体験」を提供することに注力するときだと強く語った。
「われわれは、地球上の全ての個人と組織がより多くのことを達成できるよう、生産性を改革していく」(ナデラ氏)
Microsoftのパートナー企業は、同社の主張する「デバイス&サービス」に関して、ナデラ氏の声明を好意的に見ている。
「これは結束力のあるビジョンだ」とITシステムインテグレーター、米New Signatureの創業者でCEOのクリス・ハーツ氏は評価した。
Microsoftの最高執行責任者(COO)であるケビン・ターナー氏はWPC 2014で、同社は「Windows Phone」をはじめとして、モバイルデバイスの開発を継続していくことを明言した。
「われわれが自社ハードウェアを開発する目的は、エコシステムの活性化と促進を継続することにある。プラットフォームを越えた生産性の向上は、われわれの戦略において重要な部分である。デバイスの種類は関係ない」(ターナー氏)
同社は2013年にフィンランドNokiaのデバイス&サービス部門を72億ドルで買収し、先日はタブレット製品「Surface Pro 3」を発売した。
Microsoftは自社ハードウェアの出来栄えをアピールする一方で、OEMパートナーとの関係にも気を配っている。ターナー氏はHewlett-Packard(HP)がホリデーシーズンに199ドルのノートPC「Stream」と、99ドルのタブレット端末を発売する計画を明らかにした。
「われわれはローエンド市場に参入する」(ターナー氏)
Microsoftはまた、注力分野として「モバイル」「ビッグデータ」「ソーシャル」「クラウド」の既存戦略に、「セキュリティ」を加えた。セキュリティの諸問題に対応する、より統合的なセキュリティ製品を提供する計画だ。
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