2位以降、多くライクインしたのはデスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化に関する記事でした。VMwareは2009年、「Virtual Desktop Infrastructure」を「VMware View」に改名し、年次カンファレンス「VMworld 2009」では「2010年が仮想デスクトップ元年になる」と発表しました。この5年間は、米Citrix Systems、VMwareなどのベンダーがエンドポイント市場で目まぐるしい覇権争いを繰り広げてきました。
3位には「Chromebook」から仮想デスクトップにアクセスすることに触れた記事がランクインしています。デスクトップ仮想化が注目される背景には、BYOD(私物端末の業務利用)やモバイル端末の業務利用のニーズが伺えます。端末コストを抑え、セキュアにモバイルワークを実現するツールとしてChromebookが話題となっていますが、このような端末からWindowsアプリケーションや業務アプリケーションを利用する方法としてHTML5レシーバーが有力視されており、仮想化ベンダー各社はこうした新技術にも対応してきています。
一方で、オンプレミスのデスクトップ仮想化だけでなく、近年注目されているのがDaaS(Desktop as a Service)です。VMwareの「Horizon Air Desktops」や米Amazon Web Servicesの「Amazon WorkSpaces」をはじめ、多くのベンダーがDaaSを提供してますが、DaaSは市場で足掛かりを得たばかりに過ぎません。ユーザー企業がVDI(Virtual Desktop Infrastructure)を所有する際に必要になる費用や専門スキルなしに、VDIと同じレベルのセキュリティ、拡張性、一元管理を実現できるところが魅力といえます。DaaSが現実的な選択肢となる日まで、DaaSの動向を見守りたいと思います。
そして、近年急速に進化している技術がGPUの仮想化です。これまで3D CADのようなグラフィックス処理を仮想デスクトップで行うことは性能やコストの面で難しいとされてきましたが、米NVIDIAの「GRID」技術にCitrixやVMwareが対応したことで、現実のものとなってきました。トップ10入りは逃しましたが、「仮想デスクップでCAD、3Dレンダリング 『vGPU』が欠かせない理由とは」も多く読まれた記事でした。
5位にはDockerに関する記事「『Docker』席巻の理由はこれだ、コンテナベースの仮想化を他と比較する」がランクインしました。Dockerはコンテナ型の仮想化技術で、システムを素早く起動/廃棄できるとあって、インフラエンジニアの間でも盛り上がっています。気になるのは、従来のハイパーバイザーベースの仮想化が持つ弱点と照らし合わせたコンテナ技術のメリットです。記事によれば、ハイパーバイザーベースの仮想化の場合、各仮想マシンにゲストOSとそこで動作するアプリケーションを用意する必要があるため運用負荷が高く、効率とパフォーマンスに影響が出るとのことです。一方、Dockerをはじめとしたコンテナ型は仮想化に伴うオーバーヘッドが無い上に、ゲストOSを用意する必要がないのでディスク容量が少なくて済み、起動が高速でリソースを節約できるそうです。ただし、コンテナ型にも課題が無いわけではありません。記事ではコンテナのパフォーマンス向上策についても考察しています。
サーバだけでなくアプリケーションやデスクトップに至るまで仮想環境の導入が広がっています。TechTargetジャパンではこうした状況を踏まえ、今後も仮想化の製品選定に役立つ情報を紹介していきます。
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