徹底レビュー:iPhoneファンも欲しがる「Samsung Galaxy S7 edge」に死角はない?その価格に見合う実力を備えているか(4/5 ページ)

2016年03月20日 07時00分 公開
[Jamison CushTechTarget]

付属品

 Galaxy S7 edgeには、高速充電器、イヤフォン、Micro-USB変換アダプターが付属する。イヤフォンの品質は高く、予備のイヤーパッドもある。Androidスマートフォンユーザーには、Micro-USB変換アダプターが特に重宝するだろう。AndroidのUSBホスト機能により、Galaxy S7 edgeは、USBマウス、キーボード、外付けHDD、有線のゲームパッドを利用できる。それから、Microsoftの「Xbox 360」コントローラーも利用可能だ。

パフォーマンス

 TechTargetがレビューに使用したGalaxy S7 edgeでは、メインプロセッサとしてQualcommの「Snapdragon 820」を搭載している。Snapdragon 820は、CPUにデュアルコア2.15GHzとデュアルコア1.6GHzのKryoを載せ、グラフィックスコアの「Adreno 530」も組み込んでいる。なお、米国以外で販売しているモデルではメインプロセッサに「Exynos Octa(8890)」を搭載するモデルもある。システムメモリの容量はどちらも4GBで、この2つのモデルに認識できるほどの違いはない。

 Snapdragon 820の搭載によって、Galaxy S7 edgeは、Galaxy S7と共に、現在最も高い処理能力を発揮するスマートフォンの1つといえる。「Android 6.0.1」(開発コード名Marshmallow)だけでなく“重い”アプリも難なく動作する。その動きは軽快で、日常的に使用する上で処理能力の不足を感じる場面はなかった。

 Galaxy S7 edgeで、Primate Labsのベンチマークテストツール「GeekBench 3」を実行したスコアは以下のようになった。シングルコアのテストでは2061、マルチコアのテストでは5454。ちなみに、これまで行ってきたベンチマークテストのベストスコアは、それぞれ1460と4600だった。

バッテリー

 Galaxy S7 edgeのバッテリーは容量3600mAhで、このサイズのデバイスとしては大きい。ディスプレイ輝度を最大に設定した状態で動画配信サービス「Netflix」の動画を無線LAN経由でストリーミングしたところ、Galaxy S7 edgeのバッテリーは10時間48分持続した。これは同じ条件でバッテリーが11時間持続したMotorola Mobilityの「Motorola Droid Turbo 2」に次ぐ長さだ。現在流通しているほとんどのベンダーの主力製品は、同じテストで7〜8時間という結果になっている。

 Qualcommの電力管理機能「Quick Charge 2.0」のおかげで、Galaxy S7 edgeは急速充電が可能だ。30分で最大容量の約60%まで充電が完了した。なお、ワイヤレス給電推進団体Power Matters Alliance(PMA、現AirFuel Alliance)対応のワイヤレス充電器でも急速充電ができる。

内蔵カメラ

 現在、スマートフォンの内蔵カメラは解像度と色の再現において、ほとんどのモデルで申し分ないレベルに達している。一方、暗所撮影やオートフォーカス速度はまだまだ十分ではない。Samsung Electronicsは、開口部の絞り値(F値)が1.7のレンズ、画像画素の拡大、デュアルピクセルセンサーの採用でこの問題に対応している。

 Galaxy S6シリーズでは、F値1.9のレンズを採用していた。F値1.7のレンズは、基本的に視野角が広く、より多くの光を取り込むことができ、暗所撮影画像の品質向上に貢献している。これはSamsung Electronicsがより大きな画素サイズ(1.4マイクロメートル)に移行したことも寄与している。表面積が大きくなり、より多くの光を取り込むことができるからだ。

 ただし、画素サイズが大きくなるということは、画素数が少なくなることを意味する。Galaxy S6 edgeとGalaxy S6 edge+の有効1600万画素に対して、Galaxy S7 edgeは1200万画素にとどまる。ただし、暗所撮影における品質向上を考えると、十分意味のあるトレードオフに値する。

 以下の写真は、どちらの写真も同じ条件で撮影している。Galaxy S7 edgeで撮影したものが左、Galaxy S6 edgeで撮影したものが右だ。

暗所撮影した作例 Galaxy S7 edgeを使って暗所撮影した作例(写真=左)とGalaxy S6 edge+を使って暗がりで撮影した作例(写真=右)。Galaxy S6 edge+で撮影した写真も悪くはない。だが、Galaxy S7 edgeで撮影した写真は細部まで正確に描写している

 Galaxy S7 edgeのオートフォーカスは高速だ。全ての画素が、被写体との距離を検出する「位相差画素」を兼ねている。一方、Galaxy S6 edgeとGalaxy S6 edge+では、位相差画素を兼ねているのは1%以下だった。そのため、フォーカス速度が2〜3倍になっているというSamsung Electronicsの公表値は妥当だろう。決定的な瞬間を逃したくないユーザーなら、日常的に使いたくなるものだろう。

作例

Galaxy S7 edgeは、白をうまく処理する。以下の作例にある「RIVERSIDE TERMINAL」のロゴがそのいい例だ。Galaxy S7 edgeより低スペックのカメラであれば、「T」の周りの白い円が飛んでしまっただろう。だが、Galaxy S7 edgeでは、ひび割れたペンキと影まで正確に捉えている

作例
作例


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