なぜシスコは中堅・中小企業向けブランド「Cisco Start」を立ち上げたのか?クラウド時代にネットワークを再評価する(1/2 ページ)

ネットワークが安定していなければ、クラウドもIoTも真価を発揮できない。シスコが中堅・中小企業向けブランド「Cisco Start」を発表したのは、ネットワーク技術の認知普及を目指した“未来への布石”だという。

2017年01月23日 09時00分 公開
[吉村哲樹]
高橋慎介氏 シスコの高橋慎介氏《クリックで拡大》

 シスコシステムズ(以下、シスコ)といえば、主に大企業向けの高価格ネットワーク機器を開発・提供するベンダーというイメージを抱く人が少なくないだろう。しかしここ数年の間に同社は、中堅・中小企業向けのIT製品ブランド「Cisco Start」シリーズ、クラウド管理型ネットワーク製品「Cisco Meraki」シリーズなどを市場投入。これまで同社のイメージからは想像しにくかった割引販売キャンペーンなど、新たな販売支援施策も次々と打ち出している。これに伴い、同社のパートナー施策は大幅に変わりつつある。

 ユーザー企業だけでなくディストリビューターやリセラーにとっても、かつては高級路線をまい進してきたシスコが、一気に身近な存在になってきたのだ。同社が目指す、新たな市場に向けたパートナー施策とは、どのようなものだろうか。同社のパートナー事業統括、高橋慎介氏に話を聞いた。

「ディストリビューター」「リセラー」という言葉の厳密な定義付けはないが、本稿では次のように位置付けている。

  • ディストリビューター:幅広いベンダーから仕入れたIT商材を自社在庫として保有し、小売業者やユーザー企業に販売する卸業者。大規模な拡販、流通の役割に軸足を置く事業者
  • リセラー: IT商材をベンダー、ディストリビューターなどから仕入れ、ユーザー企業に販売する、大規模な流通経路は持たない事業者。仕入れた商材をそのまま販売するのではなく、他のシステムと組み合わせたり機能を追加したりして付加価値を高めて販売するリセラーはVAR(付加価値再販業者)という

中堅・中小企業向け市場の開拓に向けたパートナー施策

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