シスコ、新戦略「Intent-based Network」に伴う新製品群発表NEWS

シスコシステムズは、新戦略Network Intuitiveおよび新製品群を発表した。同戦略は、無数のデバイスやユーザーがひしめくネットワークの管理プロセスを、より迅速、安全にするという。

2017年07月21日 14時20分 公開
[高木理紗TechTargetジャパン]

 シスコシステムズ(以下シスコ)は2017年7月19日、新たなコンセプト「Network Intuitive(直観型ネットワーク)」および同コンセプトに基づく新製品群を発表した。同製品群は、ネットワーク構築に伴う個人認証やポリシー設定、管理プロセスなどを、クラウドを通して一元化。トラブルシューティングなどの運用作業を自動化し、ネットワークの運用管理に掛かる時間やコストを削減する。ネットワークのデータをリアルタイムで分析し、ネットワーク管理やセキュリティの向上に反映するまでの時間を数時間から数秒に短縮するなど、「直観的な」ネットワーク運営を目指す。

 新たに発表した製品群は、スイッチ「Catalyst 9000シリーズ」および、一括管理用のクラウドダッシュボード「Cisco DNA Center」、ネットワーク制御用ソフトウェア「Cisco Software-Defined Access(SD-Access)」、ネットワーク分析ツール「Cisco Network Data Platform(NDP)」、セキュリティソフトウェア「Encrypted Traffic Analysis(ETA)」などだ。同製品群は、2016年にシスコが発表したネットワーク概念「Cisco Digital Network Architecture(Cisco DNA)」に基づく。

画像 Catalyst 9400シリーズは、2017年7月に発売予定。Catalyst 9400および9500は、すでに発売済みだ《クリックで拡大》

 Cisco DNA Centerでは、個人ユーザーのアクセス権限を「従業員用」「ゲスト用」「プリンタ用」といったセグメント内に限ることなく、フォルダ別にドラッグアンドドロップで設定、管理できる。ネットワークに問題が発生した場合、「どこに、何の問題が起きているか」の詳細を、Cisco DNA Centerで可視化する仕組みだ。

 ETAは、予測分析機能および学習機能を備え、マルウェアによる暗号化した不正通信を判別する。シスコは全世界に持つ自社ネットワークから集積したデータを活用し、同製品ユーザー向けにセキュリティ情報を常時更新して、マルウェア通信の判別に生かす。

 シスコのエンタープライズネットワーク事業執行役員、眞崎浩一氏は、ネットワークの設定から管理、保守など一連の業務をダッシュボードに一元化した点について、同製品最大のメリットであり、企業のネットワーク管理にかかるコストやエンジニアの負担を減らすと話す。

 同社によれば、Cisco DNAの基幹ハードウェアの1つ、Catalyst 9300の24ポート型の参考価格は、スイッチとして使えるデータモデルの最小構成で60万円前後。同製品は、ハードウェアに各ソフトウェアを3年、5年、7年の期間別ライセンス契約で上乗せする形で販売するという。

 シスコは今後、複数のパートナー企業を通して同製品の導入を進めたい考えだ。

画像 Catalyst 9000シリーズは、リアルタイムで分析と情報更新を続けるセキュリティのニーズに耐える設計だ《クリックで拡大》

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