「電子お薬手帳」と「電子処方箋」は、調剤薬局のIT化にとってキーとなる技術トレンドです。これらの普及がもたらすメリットと、普及を阻んでいる壁について解説します。
医療機関のIT化は他の業界に比べて5〜10年は遅れているといわれます。また、医療現場でIT製品を導入する際、スタッフから不安の声が上がるなど、多かれ少なかれ障害が発生します。なぜ、医療現場にITが浸透しないのか。その理由を探るとともに、解決策を考えていきます。
今回は、普及が始まった「電子お薬手帳」と、2016年4月に解禁となった「電子処方箋」について解説します。
わが国は高齢者が3割を超える「超高齢社会」を迎えようとしています。日本政府は、団塊の世代が75歳以上になる2025年までに「地域包括ケアシステム」を構築し、地域ごとに効率的な医療サービスと介護サービスが提供できるように準備を進めています。
そこで、患者が薬を飲み忘れたり、複数の医療機関から同じ薬を処方されたりして生じる薬の飲み残し(いわゆる「残薬」)を減らす動きに注目が集まっています。前回(2016年)の診療報酬改定でも、残薬の減少および減薬を推進するアクションが高く評価されています。
※注1: 200床以上の保険医療機関の場合。紹介先の保険医療機関は200床未満の病院または診療所に限る。
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