料理人向けeコマースの八面六臂が考える「ビジネスをばくちにさせないIT活用」とは生鮮食品eコマースのIT戦略(後編)(1/2 ページ)

料理人向けに生鮮食品eコマースサイトを運営する八面六臂は、サービスの要を「決済と物流」だと考えている。アナログ作業による非効率要素を根絶するために、徹底したIT化を追求する同社のIT活用戦略を追う。

2017年12月14日 05時00分 公開
[加山恵美]
配送トラック 八面六臂の配送トラック《クリックで拡大》

 八面六臂(ろっぴ)は中小規模の飲食店を対象とした生鮮食品eコマースサイトを運営する企業だ。生鮮食品を扱うという点において一般的なeコマースサイトとは業態が異なり、仕入れや物流も自社で手掛ける独自のシステムが同社の強みとなっている。同社代表取締役社長の松田雅也氏は、「創業から数年間で、同時並行に3つくらいのベンチャー企業を作ったようなものでした」と語るほど、同社のビジネスが稼働する仕組みの整備やシステム構築を短期間のうちに推し進めてきた。

 ITシステムの導入で徹底した効率化を目指す理由は、ひとえに「良質な食材を適切なスピードで届ける」というサービスの本質を磨くための企業努力だという。「高品質なサービスが八面六臂の確固たる競争力です」と松田氏は語る。八面六臂のITシステムの中でも、松田氏が重視し、近年大きな進歩を遂げた要素が決済と物流である。

 前編「ITという武器でアナログな食品流通業界に切り込んだベンチャー、八面六臂の『覚悟』」では、八面六臂の創業からeコマースシステム立ち上げまでの経緯を紹介した。後編となる本稿では、同社eコマースシステムの要といえる決済と物流のシステム構築について詳述する。

ラクーンの決済サービス「Paid」を導入

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