AWSを追撃するGoogle
Googleクラウドが投入した3機能をAWSと比較、次の戦略が見えてきた
Googleは2017年、市場のリーダーであるAWSとのギャップを埋めようとして幾つかの対抗措置を講じた。しかし、その努力は新規顧客を獲得するのに十分なのだろうか。
Googleは2017年、パブリッククラウドのリーダーであるAmazon Web Services(AWS社)に真っ向から照準を絞った幾つかの新機能を提供した。しかし同時に、別のクラウドベンダーであるAlibabaは世界のクラウド市場で成長を続け、「Microsoft Azure」は「Amazon Web Services」(AWS)に続く2番手の競合サービスとなった。では、「Google Cloud Platform」(GCP)の正確な立ち位置はどこになるのだろうか。
以下、2017年に発表されたGCPの3機能とAWSの類似機能との比較およびGoogleがクラウド市場シェアを拡大するための課題について説明する。
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GCPの3つの新機能をAWSと比較
1.Google Transfer Appliance
物理的にデータを移行させる「AWS Snowball」に対するGoogleの対応措置が「Google Transfer Appliance」だ。これはラックマウント型大容量ストレージサーバで、ユーザーが自身のデータセンターに設置し、データを書き込んだ後にGoogleに返送する仕組みだ。Googleはこの物理デバイスを受け取ると、そのデータを「Google Cloud Storage」にアップロードする。
Google Transfer Applianceの大容量ぶりには目を見張るものがあり、1P(ペタ)Bまでのデータ圧縮が可能だ。AWS Snowballと同様に、インターネットやパブリッククラウドにデータを移動する際、組織が直面する不十分なデータ転送速度に代わる選択肢を提供する。さらに、キャプチャー時に企業データを暗号化し、物理デバイスを移動中に紛失した際に、デバイス内のデータを読み出すことができないようにする。
2.マネージドインスタンスグループ
「AWS CloudFormation」に対抗するために、Googleは「マネージドインスタンス グループ」を展開した。これは、ユーザーが同じ設定を共有する仮想マシンインスタンスのグループを起動したりシャットダウンをしたりできるサービスだ。
マネージド インスタンス グループを使用すると、管理者は複数の仮想マシン(VM
を1つまたは複数のGCPアベイラビリティーゾーン《独立したデータセンター》内で1つのエンティティーとして管理できる。AWS CloudFormationと同様に、このサービスはオートスケーリング、ロードバランシング、ローリングアップデートもサポートしている。
3.機械学習
IaaS(Infrastructure as a Service)に加えて、機械学習などの新興テクノロジーは、パブリッククラウドベンダーにとっての主戦場となっている。ほとんどの企業が機械学習や人工知能(AI)に手を染め始めた段階であるが、導入が進むにつれてその需要は急増するだろう。
既に、「Cloud Dataprep」「Cloud Dataflow」「BigQuery」など、機械学習に焦点を当てたGCPの新機能が利用できる。これらは組織が構造化データと非構造化データを管理および分析するのに役立つ。GoogleはAWSとともに、AIの専門家でなくても使用できる機械学習エンジン「TensorFlow」を提供している。
データ、データエンジンおよび自己学習システムからなるこの組み合わせにより、企業は長年にわたって収集したデータからさらに優れた洞察を得ることが可能となる。
2017年、AWSは「SageMaker」を含む多くの機械学習とAIオプションも発表した。SageMakerは10通りの一般向け機械学習アルゴリズムを含むマネージドサービスで、専門家でないユーザー向けにAIについての習得時間を短縮するように設計されている。
次に何が起こるか?
GCPへの矢継ぎ早の新機能追加にもかかわらず、AWSは安定したシェアを維持している。AWSの戦略は、そのポートフォリオを素早く構築し、GoogleとMicrosoftが追い付けないほどのスピードで多くのサービスをリリースすることである。筆者の推測では、他のクラウドプレイヤーはAWSがつまずくのを待っているところだが、このクラウドマーケットリーダーの動きが近々鈍化する兆候は一向に見えてこない。
一方で、Alibabaのような新しいプレイヤーが登場している。複数の調査会社によると、Alibabaは現在、新たに世界で3番目に大きなIaaSベンダーとなり、Googleに取って代わる存在になっているという。
1つの可能性として考えられるのは、Googleが最終的にはよりニッチなエンタープライズプレイヤーに落ちつく、という結末だ。Googleは、MicrosoftとAWSが得意とするストレージやコンピューティングなどといった主要なIaaS領域ではなく、最先端のテクノロジーにさらに注力し続けていくと考えられる。今後、機能ごとにAWSやMicrosoftとの戦いを放棄するという代償を払う代わりに、最終的にはAIなどの分野でGoogleが、さらに重要なプレイヤーとなる可能性がある。
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