従業員エンゲージメントが重要視されている今、従業員が普段使っているアプリケーション以上の価値を人事(HR)モバイルアプリケーションが提供しなければならない。
切迫する労働市場、人事分野でのモバイル技術の利用増加、社内にデスクを持たない従業員(デスクレスワーカー)の定着など雇用に関する状況は変化している。その変化に伴い、これらの問題は従業員エンゲージメント(従業員が会社へ自発的に貢献したいという意欲)と同じくらい重要であるという認識が広まっている。
雇用主は、従業員を会社につなぎ留めようとするプレッシャーを抱えている。米国の調査では2018年4月の失業率は3.9%に低下し、過去17年間で最も低い。HRに関する調査情報を提供するFuture WorkplaceとHRテクノロジーベンダーKronosによる2017年の調査によると、87%の雇用主が、従業員の定着率の改善が最も重要な優先事項である、と答えている。
ジョブホッピング(常習的な転職)は過去最高を記録し、HRサービスを提供するADPの調査によると、従業員の42%が転職の話に耳を傾けるという。そう話すのは同社の戦略アドバイザリーサービス担当副社長、スーザン・ハノールド氏だ。同氏は、従業員を教育し、エンゲージメントを高め、生産性を維持することがこれまで以上に重要になっている、と語る。
CultureIQのストラテジスト(投資戦略家)であるリア・アブラハム氏は「従業員エンゲージメントは、小売店の販売員、倉庫作業者、トラック運転手、看護師など特定の場所や会社の電子メールアドレスを持たない従業員などの離職率に顕著な影響を及ぼす」と述べる。同社では、クライアントが遂行する企業文化に関わる戦略の評価と立案作業の支援をしている。同氏は、単純労働従事者を雇用する会社や飲食店のようなデスクレスワーカーを雇用する業界での離職率は高い、と指摘する。
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