今後数年、インターネットに接続する「スマートカー」の数が増えるのに伴い、無線データに対する新たなアプローチが必要になるだろう。Intelの調査によると、スマートカーは1日当たり4000GBのデータを処理するという。ソナー(超音波センサー)やレーダー、GPS(全地球測位システム)、カメラ、音楽配信サービスのアカウントなど、スマートカーのさまざまなコンポーネントが大量のデータを生み出す。
自動運転を可能にするスマートカーは、公共の安全を高め、交通量を緩和する未来の交通手段だといえる。同時に、一般的なインターネットユーザーとは比較にならないほど、多くのデータを作り出す。現状の無線接続では、こうした膨大なデータ量に対処できない可能性がある。
経済誌Forbesの電子版に掲載された、半導体企業Maja Systemsの共同創設者兼最高技術責任者(CTO)であるジョイ・ラスカー氏のインタビューによると、現状ではスマートカーが生み出す1週間分に相当するデータ量を転送するには、230日掛かる。予防整備など、重要なデータを転送することを考えれば、この転送速度は明らかに最適ではない。事故に巻き込まれた車の位置情報のように緊急性の高いデータになると、とても現実的とはいえない。
こうした問題を一部解決する可能性を秘めているのが、「5G」(第5世代移動通信システム)だ。安定したデータ転送が必要なデータセット向けに、5Gは低遅延のデータ転送を提供する。緊急性の高いデータの大半は、5Gで処理することになるだろう。通信機器大手Ericssonは最新のレポートで、米国のモバイルトラフィックの約半数が、2023年までに5Gで処理されると予測している。
裏を返せば、生成されるモバイルデータの約半数は5Gで処理されないことになる。たとえ約半数だとしても、ラストワンマイル(通信事業者とエンドユーザーを結ぶ末端区間)への対処やネットワーク密度の制限といった、現在のネットワークが抱える問題を解決する必要があることは変わらない。
現在、米ロサンゼルスからラスベガスまで自動車で移動すると、砂漠地帯を通過する間はインターネットに全く接続できなくなる。つまり通常走行では、ほぼ確実にネットワークにつながらない空白地帯を通ることになる。スマートカーを最終的に市場で実現するには、この空白地帯の問題を解決する技術が必要になる。
スマートカーのインターネット切断リスクに対処する方法には、以下の3つがある。
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