カナリアリリースに役立つ機能も
「Google Compute Engine」の新機能で、仮想マシン作成、複製、管理がもっと楽に?
「Google Compute Engine」(GCE)に追加された新機能の中でも、イメージとテンプレートを中心とする機能は、管理者による仮想マシンの作成と管理の効率を高める可能性がある。
Googleは、一般に大手パブリッククラウドプロバイダーの中でもAmazon Web Services(AWS)、Microsoftに続く3番手と見なされている。だが、初期のIaaS(Infrastructure as a Service)機能セットからは大幅に成長を続けている。最近、こうした努力の結果として、「Google Compute Engine」(GCE)で仮想マシン(VM)のインスタンスを作成、複製、管理するオプションが拡張された。
このGCEインスタンス用の新しい管理オプションは一貫性を向上させ、エラーを取り除いて、管理オーバーヘッドを削減する。だが、幾つか制限事項がある。
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GCEインスタンス管理オプションの概要
AWSの「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)と同様、GCEは多数のマシンタイプを用意して、管理者がプロビジョニングできるVMを提供する。これらのマシンタイプでは、仮想CPUのサイズと数、メモリサイズ、ローカルの永続ストレージ容量が事前に定義されている。AWSとは異なり、GCEのユーザーはカスタムマシンタイプを作成して、必要な処理能力やメモリをワークロードに追加することもできる。
どちらも、インスタンスを作成するプロセスは似ている。だが、GCE管理インタフェースにアクセスする方法によって作成過程の各手順の詳細が異なる。管理インタフェースには、Webコンソールからアクセスする方法の他、gcloudツールを用いてコマンドラインインタフェースからアクセスする方法もあれば、APIやNode.js、Python、Rubyのようなスクリプト言語を使ってアクセスする方法もある。いずれのシナリオでも、以下の4つのコンポーネントを指定する必要がある。
- マシンタイプ
- ブートイメージ
- インスタンス名
- ゾーン
イメージの役割
管理者は、Googleが管理するパブリックリポジトリから、または「Google Cloud Platform」プロジェクトに格納されたカスタム構成からイメージをインストールできる。新しい管理機能の1つでは、親VMの“keep instance running”オプションを使って実行中のVMインスタンスにアタッチされるディスクからイメージを複製することもできる。この手法ではイメージの使用中にイメージの破損や構成の不一致が起きる可能性がある。そのため、既存のVMのスナップショットを作成して、新しいインスタンスのベースイメージとして使用するオプションもある。
Googleクラウドのイメージファイルには、新しいクラウドインスタンスに必要なOSファイル、ライブラリ、アプリケーションが含まれる。ただし、特定の設定を定義するために構成スクリプトの実行が必要になる場合もある。他にも新たなGCE機能として、管理者はVMブート時に毎回起動スクリプトを実行し、ソフトウェアのインストールと更新、OSサービスの有効化、OSとアプリケーションのパラメーター設定などのタスクを実行できるようになった。スクリプトライブラリを作成するため、管理者は起動スクリプトを「Google Cloud Storage」に保存することもできる。そうすれば、スクリプトの構成時にそのファイルのURLをその保存場所として使用できる。
リモートの場所にデータをコピーする。別のVMとデータを同期する。アプリケーションを適切にシャットダウンする。インスタンスをシャットダウンする前にログファイルをアーカイブにコピーする。こうした操作がさまざまな場面で必要になる。最近サポートされたシャットダウンスクリプトによってこうした操作が可能になる。シャットダウンスクリプトはベストエフォート形式で実行される。つまり、インスタンスが終了する前に実行/完了することは保証されない。完了する確率を高めるために、スクリプトは90秒以内に完了するようにし、GCEのプリエンプティブインスタンスは30秒以内に完了するようにする。
GCEインスタンスのテンプレート
GCEのユーザーは標準インスタンスの構成をテンプレートとして定義できる。このテンプレートでは、マシンタイプ、ブートディスクやコンテナイメージ、ネットワーク構成を指定する。テンプレートはアカウントのグローバルリソースになるため、特定のゾーンやリージョンに限定されない。同じ構成を複数回導入する必要があるときは、このテンプレートを使ってプロセスを素早く済ませ、構成の一貫性を確保する。
フロントエンドのWebファーム用など、等価なインスタンスのグループを作成する場合、テンプレートが管理対象のインスタンスグループの基礎になる。このテンプレートは、高可用性や必要に応じた自動拡張のため、複数のリージョンに配布できる。インスタンステンプレートを利用してグループ内の全てのインスタンスでソフトウェアを自動更新する機能が最近加わった。ユーザーはこの機能を構成すると、以下が可能になる。
- 更新の頻度を管理して、インスタンスを段階的に更新する。
- 追加のインスタンスを一時的に導入して、グループの他メンバーの更新中に容量を確保する。
- グループのサブセットを更新する。この機能はカナリアリリース(一部のユーザーのみに新機能をリリースし、問題がないか確認しながら段階的に配布する手法)に役立つ。
管理者は自動拡張ポリシーを利用してインスタンスグループを自動的に拡大/縮小することもできる。この自動拡張ポリシーでは、リソース利用のターゲットレベルを指定する。このターゲットレベルによって、グループを拡張するタイミングが決まる。拡張の基準には以下のいずれかを使用できる。
- CPUの平均使用率
- CPU使用率または1秒間に処理されるリクエスト数に基づくHTTPロードバランサーの処理能力
- モニタリングサービス「Google Stackdriver」によって測定されるカスタムメトリクス
シンプルな例では、CPUの平均使用率が80%に達するか、ロードバランサーが1秒間に処理するリクエスト数が100に達した場合に拡張するようにWebサーバファームを設定できる。このしきい値を超えたら、自動拡張機能がインスタンスを追加/削除して、ターゲットのしきい値を維持する。
テンプレートは変更不可になっていて、編集できない。テンプレートを変更する場合は、新しいテンプレートを作成する必要がある。ただし新しい機能では、管理者が既存のインスタンスからテンプレートを作成できるようになっていて、このプロセスが多少楽になる。この新しい機能では、開発構成を将来の全ての導入に利用できるマスターイメージとして保存できるため、開発環境から運用環境へアプリケーションを移行させる際は特に役立つ。また、アプリケーションが異なるマシンタイプでどのように実行できるかが分からない場合は、複数の異なるサイズを使用できる。その後、最適なタイプが決まったら、その後運用環境へ導入する際に、決まった構成をテンプレートとして確定できる。
その他の機能
最近、GCEインスタンスの管理機能に、以下の2つが加わった。
- インスタンスの起動時に1つ以上の永続ディスクを作成する。
- VMを誤って削除しないように構成フラグで保護する。
これらの機能は、インスタンス管理に大きな柔軟性と自動化を提供する。これにより、サーバファームとアプリケーションへの一貫した構成の導入が可能になり、ディスク構成に大きな柔軟性がもたらされる。さらに、パフォーマンスを確保する自動拡張と、リソースの誤削除を防止する保護によって信頼性を向上させる。
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