ハイブリッドクラウド市場が急速に変化している。大手クラウドプロバイダーはプライベート環境とパブリック環境を橋渡しする新サービスを打ち出しているが、今のところ、管理上の課題は残る。
従来、企業がハイブリッドクラウドの導入を計画する場合、OpenStackかVMwareのソリューションをプライベートクラウドの基盤として選定し、それを自社が選んだパブリッククラウドと組み合わせるのが一般的だった。だがそのためには、ITチームが少なくとも2種類のプラットフォームについて個別に調べ、管理する必要があった。
しかし今や、ハイブリッドクラウドの様相は変わった。Amazon Web Services(以下、AWS社)、MicrosoftおよびGoogleは、オンプレミス環境を視野に収益の拡大を狙う。この変化に押されて2018年は、複数の新しいあるいは刷新されたハイブリッドクラウド技術の登場が予想できる。
企業向けハイブリッドクラウドの筆頭かつ、2018年最もエレガントな技術は「Azure Stack」だろう。Microsoftはエンタープライズ市場における強力な地盤を足掛かりとしてパブリッククラウド「Microsoft Azure」の顧客獲得につなげ、特にオンプレミスの「Windows Server」クラスタとの連携を強みとする。Azure Stackはそのアイデアを一歩先へと進め、Microsoftを中心とするハイブリッドクラウドの中で、社内のプライベートな基盤の一画としての役割を果たす。
少し時間はかかるかもしれないが、MicrosoftはいずれAzure Stackでプライベートクラウドとパブリッククラウドを横断するシームレスなコントロールを実現させ、人工知能(AI)やデータベース、分析機能といった幅広いパブリッククラウドサービスをオンプレミス環境から直接利用することを可能にするだろう。
これまでプライベートクラウドのアイデアを寄せ付けなかったパブリッククラウド大手のAWS社だが、2016年にVMwareとの間で、「VMware vSphere」の管理をパブリッククラウド「Amazon Web Services」(AWS)へと拡張する提携を結んだ。両社は2017年、「VMware Cloud on AWS」を正式にスタートした。
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