2018年7月発表のレポートによると、産業用IoTシステムは今後パブリッククラウドからハイブリッドクラウドに移行する傾向がある。データの保存量を増やし、デバイスレベルでの処理を可能にするためだという。
現在、大半の産業用クラウドはパブリッククラウドを使っている。だが、この状況が変わりつつある。
産業テクノロジー分野の調査会社ABI Researchは2018年7月に調査レポートを公開した。このレポートでは、製造業者が今後数年で産業用クラウド環境をパブリッククラウドからハイブリッドクラウドに移行すると予測している。2018年の産業用IoT(モノのインターネット)市場では、パブリッククラウドがシェアの半分近くである49%を占める。これに対しハイブリッドクラウドのシェアは20%にとどまっている。レポートによると、2023年までにこの状況は一変し、産業用IoT市場のシェアはハイブリッドクラウドが52%に伸び、パブリッククラウドは25%まで落ち込むという。
ABI Researchでプリンシパルアナリストを務めるライアン・マーティン氏は、このレポートについて「米国を中心としたさまざまな業種および規模の製造企業に勤める、バイスプレジデントと決定権を持つ上層社員を対象に実施した調査を基に作成した」と語る。主に注目したのは産業用IoTクラウドで、製造業者のテクノロジー導入傾向について調査している。
レポートによると、産業用クラウドは製造プロセス全体を囲い込み、デジタルサプライチェーンを一体化させるという。こうした一体化はさまざまなメリットにつながる可能性がある。企業は、デジタルビジネス、製品、製造、資産、物流のプロセス全体を通じて社内外の業務の効率を上げられる。加えて、その過程で生成されるデータと分析を利用して、新しいサービスの提供や、環境、健全性、安全性の問題に対する管理の強化が可能になる。
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