Azureではできなかった、IoTを活用した介護システムの実現どのクラウドに移行したのか

クラウドで介護システムを提供するKarantis360は、当初Azureを利用していた。だがAzureにはパフォーマンスに問題があった。これを解決しつつIoTを活用するためKarantis360が選んだクラウドとは?

2019年05月17日 08時00分 公開
[Cliff SaranComputer Weekly]

 スタートアップ企業のKarantis360は、高齢者や障害者向けにIoTベースの介護システムを提供している。同社はサービスインフラを「Microsoft Azure」から他社のクラウドサービスに切り替えた。Azureを介したログインが低速だったためだ。

 Karantis360の介護システムは、介護者が介護計画を管理して、最新情報を家族に提供できるように設計されている。当初はAzureでこのシステムを開発したが、同社創業者のニック・ハンプソン氏によれば、Azureはパフォーマンスに問題があったという。

 「ユーザーが複数の端末でKarantis360ポータルにログインすると、システムからロックアウトされるという問題があった。定期家庭訪問で得た介護メモに依存していたため、被介護者の状態が限定的にしか把握できないことも問題だった。もっと優れたアプローチが必要なことは分かっていた」と同氏はブログに投稿している。

 ハンプソン氏によると、同社はIBM Cloudと「Watson IoT」を使ってシステムを再開発することに決めたという。

 「センサーを使って、介護現場と被介護者の行動についてのデータをリアルタイムに収集することは可能だった。機械学習を活用してこのデータを分析し、被介護者の日常生活を把握できれば、健康を守るための洞察を新たなレベルで得ることができる」と同氏はブログに記載している。

 同社のシステムは、介護者に警告を発する。警告するのは、転倒や事故が起きたときだけではない。いつもとは違う時間に外出する、夜なのに眠らない、ストーブをつけっ放しにしている、浴室から戻らないなど、通常の行動パターンにない事態が発生した場合にも警告する。

 イングランド南部で在宅ケアプロバイダーを営むCare Responseは、Karantis360の介護システムを導入している。Care Responseの品質保証マネジャーを務めるポーラ・イーグル氏は次のように話す。「高齢者の自立と安全性を高めるには透明性やサポート、迅速な介入が不可欠だ。Karantis360の介護システムがあれば、介護者も被介護者も、事態が悪化した際に迅速に手を差し伸べられるという安心感が得られる」

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