よく指摘されることだが、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)は当初、具体的には何であるのかが不明瞭だったため普及のペースは期待よりも遅かった。これを顕著に物語る現実として、SDNが話題になった当初はサプライヤーやアナリストによって言っていることや定義がバラバラだった。
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2011年になると、Open Networking Foundation(ONF)がこのコンセプトをオープンソースアーキテクチャとして普及させた。その定義は当時のGartnerの定義に近い。
「ネットワーク機器においてコントロールプレーンをデータプレーンから切り離し、ネットワークインテリジェンスと状態がロジック的に一元化され、基盤となるネットワークインフラがアプリケーションから抽象化される新興のネットワークアーキテクチャ」
HPE欧州・中東・アフリカ(EMEA)法人の最高技術責任者クリス・ダンド氏は、特にメディアやエンターテインメントといった業界では、SDNがデータセンターの中で重要な役割を担うと解説する。
絶対的な定義とは関係なく、ネットワークはルーター間の「ホップ単位」ではなく、エンドツーエンドから直接プログラミングして一元的に管理できるという要素が鍵を握っていた。言い換えると、ネットワークは(アプリケーションとユーザーポリシーの観点から見ると)ノード間ルートの連なりではなく、単一のロジック的なスイッチとなった。このアプローチは当初、ネットワーク業界大手の多くが採用した。Cisco Systemsの「Open Network Environment」(ONE)のように、よりプロプライエタリ的あるいは少なくとも「パーソナライズされた」アプローチを採ることもあった。
SDNは同時に、多くのスタートアップを生み出した。ただ、2011〜2013年ごろのスタートアップを調べてみると、既に買収されている企業が多かった。
これによってSDNの方向性や定義は変わったのか。今も独立を保っているスタートアップの1社、Pluribus Networksのマイク・カプアーノ最高マーケティング責任者(CMO)は言う。「SDNの定義は導入期から変化し、拡大した。だがわれわれが次世代SDNと呼ぶものは、技術において根本的な変化はない。どちらかというとメッセージングとポジショニングに関してわれわれがどうリードするかに関係がある」
カプアーノ氏の考えでは、鍵を握るのは連携性と相互運用性だ。同氏はまた、クラウドの到来がSDNの役割を変化させてきたと見る。
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