ポスト「京」はArmを採用 スパコン首位争いは米国と中国の一騎打ち?スパコン市場とプロセッサ【後編】

スーパーコンピュータの性能を巡る競争は、事実上、米国と猛烈に追い上げる中国の争いになっている。そうした中、「京」の後継機はプロセッサにArmベースのCPUを採用する。

2019年07月30日 05時00分 公開
[Patrick ThibodeauTechTarget]

関連キーワード

Intel(インテル) | AMD | サーバ


画像

 前編「Intel、AMDではなく『Arm』がスパコン用プロセッサで勢力を伸ばす理由」では、スーパーコンピュータ(スパコン)向けのプロセッサとして、ArmアーキテクチャベースのCPUが勢力を伸ばす可能性について触れた。後編では、ArmベースのCPUがスパコンで採用される可能性を探るとともに、世界のスパコン分野における勢力争いを追う。

 ArmベースのCPUが、スパコン性能ランキング「TOP500」にランクインするスパコンに搭載されるのは容易ではない。2019年6月のTOP500のランキングに173台のスパコンをランクインさせたLenovoは最近、ArmベースのCPU「ThunderX」を搭載したサーバをリリースした。だがLenovoのスコット・ティーズ氏は「顧客からはテスト以外の用途での需要がほとんどない」と語る。

日本の「京」後継機はArmを採用

 ArmのCPUを搭載したスパコンへの関心は、まだそれほど大きくない。だが1つの注目すべきスパコンが日本から登場しようとしている。

 富士通はかつて世界最高性能のスパコンだった「京」の後継として、ArmベースのCPUを採用したスパコン「富岳」を開発している。富岳は、2021年ごろに運用が開始される見通しだ。富士通はこれに当たり、Armのコミュニティーに参加することで、オープンソースソフトウェアの活用を進めると表明している。

 TOP500のランキングは、ランクインしたスパコンの処理能力を合算した国別のパフォーマンスシェアも示している。

スパコン世界一は米国か、中国か

ITmedia マーケティング新着記事

news099.png

有料動画サービス 34歳以下では過半数が利用経験、4割は1日1回以上利用
「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2024」を基に、テレビ画面での動...

news171.png

2024年のGW予算は横ばい 賃上げよりも物価高と円安の影響が勝る?――インテージ調査
インテージが全国の15歳から79歳の男女を対象に実施したゴールデンウイークに関する調査...

news148.jpg

CNN幹部が語る、メディアビジネスにとってのAIのリスクと機会
生成AIがコンテンツを量産し、真偽の明らかでない情報があふれかえる中、メディアの価値...