本稿では、利用可能なブレードサーバ、ラックサーバ、メインフレームコンピュータの全体像を詳しく示し、主要ベンダーについて紹介する。
ハードウェアベンダーは豊富な種類の形状とサイズのサーバを提供し、多様なオプションを用意している。大半の主要ベンダーの製品ラインアップにはラックサーバがある。ブレードサーバを販売するベンダーや、メインフレームコンピュータを提供しているベンダーもある。
ハードウェアベンダーは他の種類のシステムも用意しているのが一般的だ。タワーサーバ、コンバージドインフラ、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)、高密度サーバ、スーパーコンピュータなどがその例だ。以下では代表的なハードウェアベンダーと、その製品について述べる。
取り上げるのは以下のベンダーだ。
Acerは中堅企業や大企業向けのラックサーバを幾つか提供している。これらのラックサーバには、フォームファクター(形状の規格)が1Uと2Uで利用できる「Altos」シリーズと「AR」シリーズなどがある。Altosシリーズには4種類のモデルがあり、いずれも2ソケット。ARシリーズのモデルは2種類で、一方は1ソケット、もう一方は4ソケットだ。
ARシリーズの一つである「AR580」は、最大4基のIntel製「Xeon E5-4600」プロセッサと最大48基のDIMM(Dual Inline Memory Module)を利用できる。このサーバは、冗長でホットスワップ可能な電源装置とデュアルポートの10ギガビットイーサネットコントローラーも備える。
ラックサーバだけでなく、Acerは2種類のモデルの高密度ストレージがある「AW2000h F2」シリーズも提供する。同社はAW2000h F2をブレードサーバとしては販売していないものの、類似点は多い。例えば、Acerの「Acer AW2000h w/AW370h F2」は2Uサイズのラックにマウント可能な筐体を持ち、4台までのサーバノードを運用できる。各サーバノードには最大2基のIntel製「Xeon」プロセッサと16基のDIMMを搭載できる。加えて、複数のタワーサーバと1種類のミニタワーサーバも提供している。
価格体系と製品の購入方法については、Acerに直接問い合わせる必要がある。
ASUSTeK Computer(ASUS)は、さまざまなラックサーバを提供するハードウェアベンダーだ。ラックサーバ以外にも、タワーサーバおよび高密度GPUサーバもそれぞれ2種類ずつ販売している。ラックサーバとしては「RS」シリーズや「ESC4000」シリーズなどがある。
RSシリーズにはフォームファクター1Uと2Uで利用可能なモジュールが9種類ある。これらのサーバはビジネスの規模やワークロードに応じた幅広い業務をターゲットにしている。例えば、RSシリーズの「RS720-E9-RS12-E」ラックサーバは最大2基のIntel製「Xeon Scalable」プロセッサを利用でき、合計56コア112スレッドにまでなる。メモリも3TBまで搭載可能だ。RSシリーズの他のサーバと比べ、特に優れた堅牢(けんろう)性を持つ。
ESC4000シリーズには3種類のモジュールがある。いずれもフォームファクターが2Uの2ソケットシステムだ。1基のCPUにつき最大8基のDIMMを利用できる。モジュール間で主に違うのはプロセッサの種類とドライブベイの数だ。例えば、ASUSの「ESC4000 G3」はIntelの「Xeon E5-2600」プロセッサと最大8個のホットスワップ可能な3.5インチドライブを備える。一方、「ESC8000 G4」で使用できるのはXeon Scalableプロセッサと最大8台のホストスワップ可能な2.5インチドライブだ。
ASUS製品は、Newegg、Amazon、CDWなどのIT製品小売業者からオンライン経由で購入できる。ただし、価格は購入先によって大きく異なる可能性があることに留意しておく必要がある。例えば、これらの小売業者3社におけるESC4000 G3の表示価格は約1900〜3300ドルと幅がある。なお、この価格にプロセッサやメモリは含まれない。
Cisco Systemsはラックサーバを7モデル、ブレードサーバを6モデル用意しており、あらゆる規模の企業向けの製品を取りそろえる。最低価格は3000〜2万6000ドルと幅広い。ラックサーバは「Unified Computing System(UCS)C」シリーズとして販売され、フォームファクター1U、2U、4Uで利用できる。ほとんどのモデルはXeonプロセッサを2基まで使用できる。ただし、「UCS C460 M4」と「UCS C480 M5」は4基まで利用可能だ。メモリ容量は1.5〜6TBと幅広く、内蔵ストレージの最大容量は30〜246TBだ。
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