「Exchange Server 2010」移行計画、オンプレミスかクラウドか【後編】
Exchange Server 2010から「2019」への移行が“正解”とは言い切れない理由
「Exchange Server 2010」サポート終了に伴い、オンプレミスのままアップグレードすることを選ぶなら、「Exchange Server 2019」への移行が最も自然だ。ただし移行プロセスは決して単純ではない。
Microsoftがメールサーバ製品「Exchange Server 2010」を販売開始したのは2009年11月だ。この10年間、Exchange Server 2010をコラボレーション戦略の要としてきた企業は少なくない。その後Microsoftは「Exchange Server 2013」「Exchange Server 2016」を販売し、直近のバージョンが「Exchange Server 2019」となる。かなりの数の企業に使われ続けてきたExchange Server 2010。その移行期限が迫っている。
導入済みのExchange Server 2010にとって、サポート終了とは具体的に何を意味するのか。サポートが終了してもサーバはフル機能で稼働し続ける。だがMicrosoftは同製品の技術サポートを提供しない。サポートが切れた製品には、不具合の修正やセキュリティ更新プログラムを提供しなくなる。もしもまだExchange Server 2010からの移行に着手していない場合、今こそ移行に着手する潮時だ。
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簡単とは限らない「Exchange Server 2019」への移行
オンプレミスでExchange Serverを使い続けたい企業にとって、選ぶべき製品はExchange Server 2019だと考えるのが自然だ。だが必ずしもそうとは限らない。理由は幾つかある。
第一に、Exchange Server 2010からExchange Server 2019へ直接的にアップグレードする手段がない。ほとんどの企業にとって、この移行は複数の手順を伴う複雑なものとなる。まず全ての受信箱とリソースをExchange Server 2013またはExchange Server 2016に移行し、次にExchange Server 2010に残ったものを全て廃止する。その後Exchange Server 2013/2016からExchange Server 2019に移行して、プロセスを完了させる。この手順には相当なリソースと時間、綿密な計画を要する。
Exchange Server 2010のユニファイドメッセージング機能(通常のメールに加えてボイスメールやFAXなどを、1つのデバイスやメールボックスからまとめてアクセスできるようにする機能)を使っている企業は、もう一つ考慮すべきことがある。MicrosoftがExchange Server 2019からこの機能を削除して、代わりにオンライン会議サービス「Skype for Business」のクラウドボイスメール機能の利用を推奨していることだ。
オンプレミスにとどまることを検討している企業にとって、Exchange Server 2019は素晴らしい機能を備えている。ただしメリットとデメリットを検討することが重要であり、移行プロセスにはその取り組みが伴う。
MicrosoftがサポートするのはサーバOS「Windows Server 2019」環境にインストールしたExchange Server 2019のみ。同社はWindows Server 2019の「Server Core」環境(限定的なグラフィカルユーザーインタフェースしか持たない最低限の環境)へのインストールを推奨している。
Exchange Server 2019には幾つか重要な機能強化がある。検索機能を再構築して、大型ファイルのインデックス機能と検索性能の向上を図った。クライアント側にも新機能があり、メールアドレスの国際化機能は、英字以外の文字を含むメールアドレスを使ったメールの送受信を可能にした。
Exchange Server 2019に移行するメリットよりも、移行プロセスに伴うデメリットの方が大きい場合はどうなるのか。Exchange Server 2016の延長サポートは2025年10月まで続く。Exchange Server 2016はExchange Server 2010からの移行先として有用な選択肢となる。Exchange Server 2016の方が移行プロセスはシンプルで、ユニファイドメッセージングも利用できることから、Exchange Server 2016は一つの選択肢として検討する価値がある。
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「Exchange Server 2010」移行、オンプレミスかクラウドか
Microsoftはメールサーバ製品「Exchange Server 2010」のサポート終了日を、2020年1月14日から同年10月13日に延期した。いずれにしてもユーザー企業はこの日までに移行を済ませなければならない。クラウドサービスに移行するか、オンプレミスのままアップグレードするか。それぞれのメリットとデメリットを考察する。
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