OSI参照モデルのレイヤー3(ネットワーク層)で必要になるのが「IPアドレス」だ。似た役割を持つ「MACアドレス」とは何が違うのか。
前編「いまさら聞けない、IPアドレスだけでなく『MACアドレス』が必要な理由」では、物理的にデバイスを特定するための識別番号である「MAC(メディアアクセス制御)アドレス」が、インターネット通信において担う役割を説明した。データを滞りなく送受信するにはMACアドレスの他に、ネットワークで割り当てられる識別番号である「IPアドレス」が必要だ。本編ではIPアドレスの役割や、MACアドレスとIPアドレスの違いを解説する。
「IP」は、インターネットに接続しているデバイスの通信方法を制御するプロトコルだ。ネットワークを階層化して定義したOSI参照モデルでは、レイヤー3(ネットワーク層)に該当する。インターネットでは当初、「IPv4」が使用されていたが、現在は「IPv6」への移行が進んでいる。
ネットワークに接続しているデバイスを識別するのが、IPアドレスの役割だ。IPv4アドレスは32bitで構成され、一般に10進数の数字4つをドットで区切って表現する。「000.000.000.000」から「255.255.255.255」までの番号を使用できる。特定の用途に予約されていて使用できない番号が多数ある。
IPアドレスはネットワークを識別する番号とデバイスを識別する番号に分かれている。先頭の8bit目から31bit目までの一部がネットワークを識別するための番号であり、残りがそのネットワーク内のデバイスを識別するための番号になる。インターネットに接続するデバイスが急増したことにより、IPv4アドレスの枯渇問題が浮上し、IPv6が開発される一因となった。
IPv6アドレスは128bitで構成される。前半の64bitがネットワークを識別するための番号で、後半の64bitがそのネットワーク内のデバイスを識別するための番号となっている。「FEDC:BA98:7654:3210:0123:4567:89AB:CDEF」のように、16進数の数字4桁、8組をコロンで区切って表現する。各種の省略表記規則を用意している。
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