「ハイブリッドクラウド」がコンプライアンス問題に対処しやすい理由ハイブリッドクラウドを利用する5つのメリット【後編】

ハイブリッドクラウドによって、パブリッククラウドとプライベートクラウドの“いいとこ取り”が可能になる。セキュリティとコンプライアンス、一貫性の面でのハイブリッドクラウドのメリットについて説明する。

2020年02月12日 05時00分 公開
[Stephen J. BigelowTechTarget]

 複数のユーザー企業でリソースを共有する「パブリッククラウド」と、特定のユーザー企業がリソースを専有する「プライベートクラウド」を組み合わせた「ハイブリッドクラウド」を構築することで、アプリケーション(ワークロード)に応じて両方のクラウドのメリットを活用できる。ただし、そのためには導入と運用において複雑な作業が必要になることが少なくない。

 前編「『ハイブリッドクラウド』がインフラコスト削減とリソース不足解消に役立つ訳」に引き続き、ハイブリッドクラウドクラウドの持つ5つのメリットのうち、残る3つを説明する。前編と同様、想定するのはパブリッククラウドと「オンプレミス型プライベートクラウド」(オンプレミスのインフラを使って構築したプライベートクラウド)を組み合わせたハイブリッドクラウドだ。

メリット3.セキュリティ

 パブリッククラウドのセキュリティには懸念点がある。ベンダーがクラウドのインフラを独占的に所有しているため、ユーザー企業がインフラの詳細な構成を確認したり管理したりできない場合があることだ。さらに侵害などの悪意のある行為が発生したとき、クラウドベンダーが責任を負わない可能性もある。

 データを保護する最善の方法が、対象のデータをオンプレミスに維持することになる場合もある。データも、そのデータにアクセスするシステムも極めて重要なビジネス資産だ。最も機密度の高いデータや重要なシステムは、自社が所有するオンプレミスのデータセンターで稼働させることで、IT担当者が管理、保護できる。

 ハイブリッドクラウドを構築すれば、ある程度の監視が可能になる。ハイブリッドクラウド全体のセキュリティの問題を監視、検出、報告するには、ハイブリッドクラウド向けのセキュリティ製品が役立つ可能性がある。このようなツールには、トレンドマイクロの「Trend Micro Deep Security」、McAfeeが提供するハイブリッドクラウド向け製品群などがある。

メリット4.コンプライアンス

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

複雑化するIT管理をどう効率化する? 分散環境で堅固なリモート管理を行う方法

ハイブリッドクラウドやエッジコンピューティングの普及に伴い、企業が管理すべきIT資源が急増している。こうした中で注目を集めるのが、あるクラウドサービスだ。分散環境における課題とその解決策について、導入事例とともに解説する。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

運用負荷やコストが増大、複数世代にわたるIT環境のモダン化をどう進める?

AI活用やデータドリブン経営が加速する一方で、レガシーインフラが問題になるケースが増えている。特に複数の世代にわたってIT資産が混在しているインフラ環境では、運用負荷やコストが増大してしまう。この問題をどう解消すればよいのか。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

無計画なハイブリッドクラウドが招く弊害、次世代のITインフラでどう解消する?

クラウドファーストの流れが加速する中、無計画に構築されたハイブリッドクラウドの弊害が多くの企業を悩ませている。ITオペレーションの最適化を図るためには、次世代のハイブリッドクラウドへのモダン化を進めることが有効だ。

市場調査・トレンド 日本ヒューレット・パッカード合同会社

ハイブリッドクラウド環境におけるワークロードの配置を最適化する方法とは?

ワークロードを最適な環境に配置できる手法として注目され、多くの企業が採用しているハイブリッドクラウド。しかし、パフォーマンス、法令順守、コストなどが課題となり、ハイブリッドクラウド環境の最適化を難しくしている。

製品資料 富士通株式会社

小売業のDXを加速する次世代のプラットフォームとは

小売業界にとって、顧客体験(CX)、従業員体験(EX)の向上ならびにDX推進は重要度の高い課題である。多拠点、多店舗、他業態を展開する小売業でCXとEXをグローバルに向上する次世代のリテールコマースプラットフォームとは。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。