ハイブリッドクラウドによって、パブリッククラウドとプライベートクラウドの“いいとこ取り”が可能になる。セキュリティとコンプライアンス、一貫性の面でのハイブリッドクラウドのメリットについて説明する。
複数のユーザー企業でリソースを共有する「パブリッククラウド」と、特定のユーザー企業がリソースを専有する「プライベートクラウド」を組み合わせた「ハイブリッドクラウド」を構築することで、アプリケーション(ワークロード)に応じて両方のクラウドのメリットを活用できる。ただし、そのためには導入と運用において複雑な作業が必要になることが少なくない。
前編「『ハイブリッドクラウド』がインフラコスト削減とリソース不足解消に役立つ訳」に引き続き、ハイブリッドクラウドクラウドの持つ5つのメリットのうち、残る3つを説明する。前編と同様、想定するのはパブリッククラウドと「オンプレミス型プライベートクラウド」(オンプレミスのインフラを使って構築したプライベートクラウド)を組み合わせたハイブリッドクラウドだ。
パブリッククラウドのセキュリティには懸念点がある。ベンダーがクラウドのインフラを独占的に所有しているため、ユーザー企業がインフラの詳細な構成を確認したり管理したりできない場合があることだ。さらに侵害などの悪意のある行為が発生したとき、クラウドベンダーが責任を負わない可能性もある。
データを保護する最善の方法が、対象のデータをオンプレミスに維持することになる場合もある。データも、そのデータにアクセスするシステムも極めて重要なビジネス資産だ。最も機密度の高いデータや重要なシステムは、自社が所有するオンプレミスのデータセンターで稼働させることで、IT担当者が管理、保護できる。
ハイブリッドクラウドを構築すれば、ある程度の監視が可能になる。ハイブリッドクラウド全体のセキュリティの問題を監視、検出、報告するには、ハイブリッドクラウド向けのセキュリティ製品が役立つ可能性がある。このようなツールには、トレンドマイクロの「Trend Micro Deep Security」、McAfeeが提供するハイブリッドクラウド向け製品群などがある。
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