「Windows 10」の更新でフリーズを起こさないためのテスト方法「Windows 10」更新プログラム再入門【後編】

「Windows 10」の更新プログラムをインストールする際は、生産性が妨げられないように注意すべきだ。問題を避けるためには具体的に何に注意し、どのような対処をすべきなのだろうか。

2020年07月18日 08時30分 公開
[Reda ChouffaniTechTarget]

 「Windows 10」の更新プログラムは、OSそのものをアップグレードすることなく、アップグレードと同様の機能追加を可能にする。企業のIT部門にとっては、クライアントデバイスのOSに更新プログラムを適用するだけで済むことから、運用管理の作業は簡単になったように見えるだろう。

 それでもWindows 10の更新プログラムを適用する際は問題に直面することがある。不具合や互換性に起因するWindows 10の更新プログラムの問題が、企業のビジネスに対して悪影響をもたらした例は枚挙にいとまがない。プリンタへの接続の問題からデータが消去される問題、クライアントデバイスがフリーズしたりクラッシュしたりする問題まで幅広く事例がある。

 こうした問題を避けるための最善の方法は、テスト専用のクライアントデバイスを用意することだ。まずテスト機で全てのWindows 10の更新プログラムを適用してみて、重大な問題があるかどうかを確認する。

どうテストすべきか

 テストを実施するポイントは、各種アプリケーションを利用した印刷やネットワークへの接続などさまざまだ。エンドユーザーのクライアントデバイスで重要視すべきポイントを、更新プログラムを適用しても正常に動くかどうかテスト機で確実に確認しなければならない。こうした作業を漏れなく進めるには、新たな更新プログラムを適用する前に必ず更新作業のプロセスと変更点を記録する文書を用意して、テストを実施する必要がある。

 Windows 10の更新プログラム適用の準備をする際は、以下の点を考慮に入れるべきだ。

  • 定期的なメンテナンス期間
  • 更新プログラム適用に失敗した場合の更新作業全体の復旧計画
  • 更新プログラムで発生した個別のシステム的な問題の復旧計画
  • 品質更新プログラムと機能更新プログラムそれぞれの導入計画
  • 臨時のセキュリティ更新プログラムの導入計画
  • エンドユーザーへの更新プログラムに関する通知と再起動の要求
  • クライアントデバイスとサーバそれぞれの更新プログラムの適用に関するポリシーの設定

 Microsoftが2020年2月27日に配信した「Windows 10 Version 1909」の更新プログラムには、プロキシサーバを使っている一部のクライアントデバイスでインターネット接続が制限されたり、使えなくなったりする事象が発生している。IT部門は、この更新プログラムに起因する問題を避けるために、自社で確立したテスト方法に従い、既知の問題に対してはMicrosoftが用意しているドキュメントを参照する必要がある。

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