Microsoftの「Windows File Recovery」は、PCに保存したファイルを誤って削除した際に効果を発揮する。クラウドストレージ全盛の今、同社がWindows File Recoveryを提供する狙いとは。
Microsoftが「Windows 10」向けに無料提供を始めた「Windows File Recovery」は、IT担当者がローカルストレージをスキャンし、削除されたファイルを見つけたり、復元したりすることを支援するアプリケーションだ。Windows File Recoveryは、Windows 10のバージョン2004以降で利用できる。同社は公式アプリケーションストア「Microsoft Store」で、2020年6月末からWindows File Recoveryを提供している。
Windows File Recoverは、内蔵および外付けドライブ、USBメモリなどからファイルを復元できる。NTFS、FAT、exFAT、ReFSの各ファイルシステムから、「Microsoft Office」ファイルやZIP、JPEG、PNG、PDF、MPEGの各フォーマットのファイルを復元することが可能だ。
「クラウドベースのストレージやバックアップの選択肢はあるものの、人々は依然として社内デバイスに重要な情報を保存している」。調査会社Enterprise Strategy Groupでシニアアナリストを務めるマーク・バウカー氏は、MicrosoftによるWindows File Recovery提供の背景をこう指摘する。
失われたデータの復元は「長年、IT担当者にとって厄介な作業だった」とバウカー氏は語る。こうした作業を成功させるには、一般的には専門業者の技術に頼らなければならないからだ。「専門スキルと専門ツールを使って、ファイルを復元するチャンスを生かせる専門家の力が必要だった」(同氏)
Windows File Recoveryがうまく機能すれば「IT担当者が重宝するだろう」とバウカー氏は語る。エンドユーザーがうっかりファイルを失ってしまっても、Windows File Recoveryがミスを帳消しにする効率的な手段になる可能性があるからだ。
Microsoftは2020年7月初めに、Windows 10の新たなプレビュー版「Windows 10 Insider Preview Build 20161」もリリースした。Windows 10 Insider Preview Build 20161での主な変更点には、「Alt」+「Tab」キーの新機能、画面左下のWindowsロゴをクリックすると表示される「スタート」メニューのデザイン変更、画面右下の「通知」ロゴをクリックすると表示される「トースト通知」の改良などがある。
調査会社Constellation Researchのプリンシパルアナリストを務めるホルガー・ミュラー氏は「MicrosoftがWindows 10のユーザーエクスペリエンスに取り組むのは良いことだ」と語る。Windows 10のユーザーエクスペリエンスは、一般提供が始まった2015年から基本的に変わっていないからだ。Windows 10のプレビュー版をいち早く試すことができるテストプログラム「Windows Insider Program」の参加者からWindows 10 Insider Preview Build 20161が支持されるかどうか、Windows 10の将来バージョンにどの新機能が搭載されるかに、ミュラー氏は注目する。
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