NVIDIA、AMDなど競合の半導体ベンダーが勢いづく中、Intelの存在が相対的にかすんでいる。かつて支配的な力を誇った“巨人”Intelは、何か間違いを犯したのか。そうだとすれば、何を間違えたのか。
Intelも、AMD(Advanced Micro Devices)やNVIDIAなどのライバルに負けじと企業買収を進めている。2020年11月にはAccessible Labs(cnvrg.ioの名称で事業展開、以下cnvrg.io)を買収したことが明らかになった。cnvrg.ioは、機械学習モデルの構築や運用のための製品を手掛けるイスラエルの企業だ。Intelは、2020年10月にもSigOptを買収すると発表した。SigOptは、機械学習モデルの作成やシミュレーションを最適化する製品を手掛ける。
AMDとNVIDIAはIntelを追撃する構えだ。だが2019年会計年度の年間売上高ではIntelが約720億ドルであるのに対し、AMDは約67億ドル、NVIDIAは約117億ドルにとどまる。
Intelは7ナノプロセスで製造するチップを2020年に市場投入できなかった。製造プロセスにおける問題が遅れの原因だ。AMDやNVIDIAは7ナノプロセスによるチップを既に製品化している。あるアナリストは「Intelが立ちいかなくなるとは予想していない」と前置きをしつつも、「出荷の遅れやお粗末な経営のせいでIntelは劣勢だ」と話す。
これまでIntelは、悪いニュースに直面してもことごとく復活してきた。だが「この数年は復活するたびに改革が少しずつ小粒になり、革新的ではなくなっている」と、調査会社Nucleus Researchのアナリスト、ニコラス・グリゼル氏は言う。
Intelは競合他社の積極的な攻勢にあおりを受けているだけではない。Intel設立者であるゴードン・ムーア氏が生み出した「ムーアの法則」が限界に近づいている。x86プロセッサにおける処理性能の向上に制約がある点を、十分補えるだけの魅力的な技術を生み出せていない。Intelは大きな困難に直面している。
以前のようにプロセッサ市場で支配的な力を維持し、確実に成功を手中に収めることもIntelにはできたはずだ。しかしIntelは、さまざまな製造プロセスを必要とする特殊なデバイスの開発にリソースを分散させてきた。「これではどこにもたどり着けない。Intelは数年でNVIDIAとAMDに追い越される」。調査会社Technology Business Researchでシニア戦略コンサルタント兼主席アナリストを務めるジェフリー・ウォーラコット氏はそう語る。
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