循環器疾患患者の「6分間歩行試験」を在宅で実現
Apple Watchの心臓チェック機能が「臨床的に正確」だと判明 何がすごいのか?
スタンフォード大学の研究によると、在宅で「Apple Watch」を用いて6分間歩行距離試験を実施したデータは、臨床的に正確で有意義な洞察をもたらす。その事実は、医療機関や患者にとってどのような意味があるのか。
スタンフォード大学(Stanford University)の研究チームは、Appleのスマートウォッチ「Apple Watch」で収集した心臓の健康状態に関するデータが、在宅モニタリングに役立つことを発見した。同大学の研究は、循環器疾患の患者がApple Watchを使って、在宅で標準的な「6分間歩行試験」(注1)ができることを明らかにした。この研究では、休憩なしでの6分間歩行距離が1000フィート(304.8メートル)に満たない状態を「虚弱状態」と定義している。
※注1:運動能力の客観的評価のための検査。一定の速さで平地を6分間歩くことで、肺や心臓の病気が日常生活にどの程度の障害を及ぼしているかを調べる。
「Apple Watchで在宅心臓ヘルスチェック」の “本当の意味”
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Apple Watchのデータは、患者の心臓の健康状態に関する「臨床的に正確で有意義な洞察」をもたらし、患者の状態の安全なモニタリングを可能にした――。研究チームはこう述べている。
2021年3月にスタンフォード大学の研究者が発表した論文によると、この研究では血管または心臓の手術を控えた110人の患者が被験者となった。研究者は被験者にAppleのスマートフォン「iPhone」とApple Watchを配布し、これらのデバイスで動作する専用アプリケーションが測定、収集するデータを6カ月にわたって追跡した。
被験者は自宅で毎週6分間歩行試験を実施し、所定の間隔での外来受診時にも指導を受けながら6分間歩行試験をした。その結果、Apple Watchで得たデータは、外来指導下の試験では90%の精度で虚弱状態を検知したことを示した。在宅での試験における検知精度は83%だった。
研究者は、定期的な在宅試験のデータに加えて、患者の歩数などの活動量も収集した。こうした補足データも、虚弱状態の兆候を見つける良い方法になることが分かった。
遠隔で健康状態をモニタリングすることは、利便性、コストの低さ、データ品質の向上に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の中で医師に直接診てもらわずに済むというメリットもあることが分かったという。
高齢者にもスマートフォンが普及していることから「日々の活動に関するデータを収集する機会が生まれている」と研究チームは述べている。ただし調査会社Forrester Researchのアナリストであるジュリー・アスク氏は「データを広く収集するのであれば、保険会社か政府機関がApple Watchを購入し、貧しくて買えない人に支給しなければならないだろう」と指摘する。
米国の地方都市に住む人ほど、こうした遠隔ヘルスチェックの恩恵を受けやすい。彼らは病院にアクセスしにくい可能性があるからだ。「都市部に住む裕福な人には医療が行き渡っている。一方でケアを受けるのが難しい人や、ケアを受けたりデバイスを買ったりする余裕がない人もいる」(アスク氏)
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