「成功する」ビッグデータ活用の取説【前編】
ビッグデータの価値は量ではなく「正しい意思決定」 引き出す方法は?
ビッグデータをビジネスの意思決定に生かすには、必要なデータを効果的に収集する仕組みが不可欠だ。ビッグデータ活用を失敗させないために、まずどのような点から着手すればいいのか。
データは企業が保有する価値の高い資産の一つだ。ほぼ全ての大企業がビッグデータを活用する取り組みに投資している。
2021年にデータ活用のコンサルティング企業NewVantage Partnersが実施した調査によると、回答した企業の99%がビッグデータ活用に注力している。米誌『Fortune』が発行する企業の売上高ランキング「Fortune 1000」にランクインする企業と、業界のリーディング企業の計85社が調査に回答した。同調査では回答者の96%が、人工知能(AI)技術を使ったビッグデータ活用がビジネスに貢献していると回答した。他にも、回答者の約92%がビッグデータ活用への投資を増やしており、約81%がAI技術を使ったビッグデータ活用に前向きに取り組んでいると回答した。
データの価値は量では決まらない 価値を引き出す“下準備”とは
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ビッグデータの価値はその「量」だけではない。経営者はデータ解析によって洞察力を高め、的確な意思決定のための材料を得ることができる。21世紀のビジネスを成功に導くために、ビッグデータ活用はもはや不可欠だと言える。
「企業はデータが自社のビジネスにどう役立つかを考えてビッグデータ活用の仕組みに投資する必要がある」。そう話すのは、データ統合ソフトウェアベンダーTalendでグローバルソリューションエンジニアリング部門のバイスプレジデントを務めるクリストフ・アントワンヌ氏だ。大量のデータから「価値」を引き出すために、まずはデータを効果的に収集しなければならない。昨今のデータの量や多様性、増加速度を考えると、これは決して簡単ではない。
ビッグデータの収集方法
歴史を振り返ると、データ収集は新しいことではない。人間は何千年にわたって、さまざまな情報を集めて生活に生かしてきた。研究者がデータの管理と分析に頭を悩ませることも同様だ。
現代のデータ量、多様性、増加速度はまさにビッグデータと呼ぶにふさわしい規模になっている。全世界で毎日、膨大なデータが生成されている。こうしたデータには、次の3つの形式がある。
- 構造化データ:クレジットカード番号やGPS(全地球測位システム)座標など、一定のルールに従って数値や文字列として表示されるデータ
- 非構造化データ:メールやソーシャルメディアの投稿など、生成されたままの状態のデータ
- 半構造化データ:構造化データと非構造化データが混在するもの
ビッグデータ収集に当たっては、まずはデータソースを特定する必要がある。一般的なデータソースには、次のようなものがある。
- POS(販売時点情報管理)など取引データを生成するシステム
- IoT(モノのインターネット)デバイス
- マーケティング企業や調査会社が提供するデータ
- 顧客や見込み客によるソーシャルメディアへの投稿
- スマートフォンの位置情報といったその他のソース
あらゆるデータを収集して活用しようとする企業はないだろう。まず企業は、自社のデータ活用の目的を明確にし、それに合ったデータを収集するためのシステム構築に取り組む必要がある。ある専門家は「革新的なデータ活用を実現するために、できる限り多くのデータを収集すべきだ」と主張する。一方では「コストや解析プロセス、個人情報の問題などを踏まえ、収集するデータを慎重に選ぶべきだ」とアドバイスをする専門家もいる。
中編はデータ収集の手順と課題に焦点を当てる。
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