英国の乳製品メーカーYeo Valleyは、新しく構築した高速ネットワークを業務効率化だけでなく、さまざまなビジネスに生かそうとしている。どのように活用するのか。
ネットワークベンダーのTrueSpeed Communicationsと手を組み、光ファイバーによる高速ネットワークを構築した乳製品製造のYeo Marketing(「Yeo Valley」の名称で事業展開)。Yeo Valleyが進めたネットワーク置き換えの背景を紹介した前編「乳製品メーカーは今なぜ『銅線』から『光ファイバー』に切り替えたのか?」に続き、後編となる本稿は、同社が新しいネットワークをどう活用しようとしているかを取り上げる。
Yeo Valleyは高速通信を実現した新しいネットワークを活用し、「スマート酪農」に取り組んでいる。同社はブリティッシュフリーシアン種の牛を飼育し、ヨーグルトやバターといった有機加工物の乳製品を製造してきた。今後は、英国南西部にある2つの農場にネットワーク接続のカメラを設置し、遠隔から家畜の監視ができるようにする。これにより業務を効率化することはもちろん、牛が快適に過ごしているかを見守り、乳製品のおいしさを高める狙いがある。
「ネットワーク刷新の前は、通信の速度が遅く、IT活用に取り組みたくても、ネットワークがそのネックになっていた」と、Yeo ValleyでIT部門のマネジャーを務めるアンソニー・ローパー氏は語る。現在は、これまで頻発していたネットワークの中断もなく、速度と安定性の両面でスマート酪農を支えるインフラが整ったと同氏はみる。
TrueSpeedのエバン・ウィーンブルグCEO(最高経営責任者)は「Yeo Valleyは地域に根付いてビジネス展開している」と評価する。そのYeo Valleyが光ファイバーによるネットワークを導入したことを受け「高速通信は都会の企業に限らず、広くニーズが高まっていることを読み取れる」とウィーンブルグ氏は語る。TrueSpeedは、これまで英国各地で約3000件のネットワーク構築案件を手掛けてきたという。
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