「スマート酪農」で乳製品をよりおいしく  乳製品メーカーの高速ネット活用法光ファイバーで「スマート酪農」に挑むYeo Valley【後編】

英国の乳製品メーカーYeo Valleyは、新しく構築した高速ネットワークを業務効率化だけでなく、さまざまなビジネスに生かそうとしている。どのように活用するのか。

2021年10月20日 05時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

関連キーワード

ADSL | ブロードバンド | 事例


 ネットワークベンダーのTrueSpeed Communicationsと手を組み、光ファイバーによる高速ネットワークを構築した乳製品製造のYeo Marketing(「Yeo Valley」の名称で事業展開)。Yeo Valleyが進めたネットワーク置き換えの背景を紹介した前編「乳製品メーカーは今なぜ『銅線』から『光ファイバー』に切り替えたのか?」に続き、後編となる本稿は、同社が新しいネットワークをどう活用しようとしているかを取り上げる。

高速ネットが実現する「スマート酪農」の中身

 Yeo Valleyは高速通信を実現した新しいネットワークを活用し、「スマート酪農」に取り組んでいる。同社はブリティッシュフリーシアン種の牛を飼育し、ヨーグルトやバターといった有機加工物の乳製品を製造してきた。今後は、英国南西部にある2つの農場にネットワーク接続のカメラを設置し、遠隔から家畜の監視ができるようにする。これにより業務を効率化することはもちろん、牛が快適に過ごしているかを見守り、乳製品のおいしさを高める狙いがある。

 「ネットワーク刷新の前は、通信の速度が遅く、IT活用に取り組みたくても、ネットワークがそのネックになっていた」と、Yeo ValleyでIT部門のマネジャーを務めるアンソニー・ローパー氏は語る。現在は、これまで頻発していたネットワークの中断もなく、速度と安定性の両面でスマート酪農を支えるインフラが整ったと同氏はみる。

 TrueSpeedのエバン・ウィーンブルグCEO(最高経営責任者)は「Yeo Valleyは地域に根付いてビジネス展開している」と評価する。そのYeo Valleyが光ファイバーによるネットワークを導入したことを受け「高速通信は都会の企業に限らず、広くニーズが高まっていることを読み取れる」とウィーンブルグ氏は語る。TrueSpeedは、これまで英国各地で約3000件のネットワーク構築案件を手掛けてきたという。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news136.png

ジェンダーレス消費の実態 男性向けメイクアップ需要が伸長
男性の間で美容に関する意識が高まりを見せています。カタリナ マーケティング ジャパン...

news098.jpg

イーロン・マスク氏がユーザーに問いかけた「Vine復活」は良いアイデアか?
イーロン・マスク氏は自身のXアカウントで、ショート動画サービス「Vine」を復活させるべ...

news048.jpg

ドコモとサイバーエージェントの共同出資会社がCookie非依存のターゲティング広告配信手法を開発
Prism Partnerは、NTTドコモが提供するファーストパーティデータの活用により、ドコモオ...