2021年11月17日 08時00分 公開
特集/連載

Googleのデジタルツイン技術はサプライチェーンの課題を解決できるのかルノーもファーストユーザー

Googleはサプライチェーンをデジタルツイン化する技術で製造業や小売業の課題を解決しようとしている。サプライチェーンには今どのような課題があり、それがどう改善するのだろうか。

[Cliff Saran,Computer Weekly]

 「Google Cloud」の「Supply Chain Twin」は、サプライチェーンをデジタルツイン化する手段の提供を目的とする。Googleは、各種ソースのデータの編成・整理によってサプライヤーや在庫などの情報をそれまで以上に漏れなく見渡せるようになると言う。

 自動車メーカーRenaultはSupply Chain Twinを早期導入した企業の一つだ。「Renaultはサプライチェーンの効率的な運用にイノベーションを起こそうとしている。全体の在庫レベルの可視性を高めることが重要なイニシアチブだ」と話すのは、Renaultのジャン=フランソワ・サール氏(サプライチェーンのグローバルバイスプレジデント)だ。

 「サプライヤーの在庫データを集約してSupply Chain Twinでデータを整理・編成すれば、全体像を把握できると考えている。当社の目標はSupply Chain Twinを使って在庫を管理し、予測を改善し、最終的にはフルフィルメントを最適化することだ」

iStock.com/gorodenkoff

 Googleによると、大多数の企業はサプライチェーンの完全な可視性を持っておらず、小売りでの在庫切れ、製造在庫の長期化、天候に起因する混乱を招いているという。小売業界は2020年、商品の在庫切れによって推定1.14兆ドル(約129兆9000億円)の損失を被っているとGoogleは試算する。コロナ禍に関連するここ1年半のサプライチェーンの混乱は、運用、在庫レベルなどへの洞察の必要性をさらに証明している。

 IDCのサイモン・エリス氏(プログラム担当のバイスプレジデント)は計画、リアルタイムの意思決定、監視を行うためにはサプライチェーン全体の可視性が最優先事項だとする。「サプライチェーンのデジタルツインに対するGoogle Cloudのアプローチは、複雑な統合を必要とせずに社内外およびパートナーのデータネットワークにわたる。このアプローチは計画、監視、コラボレーション、対応を大規模に行うのに役立つ可能性がある」

 Supply Chain Twinを利用すれば、APIによる統合よりも短時間で複数ソースのデータをまとめられるとGoogleは言う。Supply Chain TwinはERPやパブリックデータをサポートし、サプライヤーやパートナーのシステムからも情報を取り込める。GoogleはAccenture、Deloitte、TCSなどのシステムインテグレーター、データのスペシャリスト、Anaplan、Automation Anywhere、Manhattan Associates、project44などの多くのソフトウェアプロバイダーと提携している。

 Automation Anywhereのマイク・ミクッチ氏(COO:最高執行責任者)は、顧客サービスの改善やリスクの軽減、プロセスの可視性向上にはbotが有効だと言う。「速度と柔軟性が以前よりも重要になっている。サプライチェーン管理の課題が増えているためだ。気候変動からパンデミックまで、混乱を引き起こす要因は多岐にわたる」

 Google Cloudのハンス・タルバウアー氏(サプライチェーンおよび物流ソリューション担当のマネージングディレクター)は言う。「サイロ化したデータや不完全なデータはサプライチェーンの可視性を阻害する。Supply Chain Twinを利用することで運用の細部まで洞察を得ることができ、調達・計画から流通・物流まで、サプライチェーンの各機能を最適化できる」

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