Zoom Video Communicationsは「ユーザーにとって音声通話とビデオ通話の境目は薄くなった」とみる。同社は今後のユーザーニーズをどう捉え、どの製品分野を重視するのか。
Web会議などのビデオ通話が主流になっても、電話をはじめとする従来型の音声通話が使われなくなるわけではない。Zoom Video Communicationsで電話・会議室部門の責任者を務めるグレーム・ゲッディーズ氏は「音声通話とビデオ通話は互いに補い合い、コミュニケーションの選択肢を増やす関係だ」と話す。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で、ビデオ通話の利用は爆発的に広がったものの「音声通話の需要は依然として高い」とゲッディーズ氏はみる。Zoom Video Communicationsは2019年に音声クラウドサービス「Zoom Phone」の提供を開始し、2021年秋には契約ライセンス数が200万ライセンスに達した(日本国内での一般提供開始は2021年10月)。今後も音声通話の需要は続くと考えられる。
「企業は1つのシステムで音声通話とビデオ通話の両方を利用したいと考えている。この1〜2年の間に、世界は『ビデオファースト』の文化へと大きく変わった」とゲッディーズ氏は説明する。ビデオ通話が浸透した結果、状況に応じて最適なコミュニケーションツールを選ぶことが容易になった。
ゲッディーズ氏によると、音声通話とビデオ通話の境目は薄くなり、職場と自宅の両方で仕事をする従業員が両者を簡単に切り替えられるようになる。例えば車内でスマートフォンを使って開始した音声通話を、オフィスの卓上電話機に転送したり、会議室のテレビ会議システムを使ったビデオ通話に移行したりすることが簡単になる。「これまでは音声通話かビデオ通話のいずれか一方しか選べなかった。これからはその区別が極めて小さくなる」(同氏)
Zoom Video Communicationsは、これまで音声通話が当たり前だった用途にも、ビデオ通話を導入するための機能追加を進めている。北米で2021年12月に提供開始したZoom Phoneのビデオボイスメール機能「videomail」を使うと、同僚のボイスメール受信箱にビデオメッセージを残すことができる。ゲッディーズ氏は、音声通話とビデオ通話の連携はさらに進むと考えている。
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