結論として、Wi-Fi 7を待つべきだ。Wi-Fi 6Eはスキップすべきだ。このシンプルな結論は、Wi-Fi 6Eを取り巻くガッカリな状況から導き出されたものだ。
Dell'Oro Groupは、企業向けWi-Fi機器とAIアプリケーションに今後の5年間で450億〜500億ドルが費やされると予測する。
同社はWi-Fi 6の進捗(しんちょく)に大きな変化が生じる可能性についても強調している。Wi-Fi 6はここ数年で無線LANのデファクトスタンダードになり、Wi-Fi 6をサポートする技術は堅調に展開している。2022年にはWi-Fi 6互換機器が市場に約20億台投入されると推定されている。
ここで予想外の動きがあった。業界団体のWi-Fi Allianceが2022年1月、Wi-Fi 6 Release 2を発表したのだ。
自然な流れとして、Wi-Fi 6の次のステップはWi-Fi 6Eになると長い間予想されていた。Wi-Fi 6Eでは2.4GHzと5GHzに加えて6GHz帯を利用できるようになり、80MHzチャネル×14と160MHzチャネル×7がサポートされ、レガシーWi-Fi機器からの干渉が低減する可能性がある。そしてWi-Fiネットワークでより多くの機器が同時に最適なパフォーマンスを得る。
Wi-Fi 6E製品をリリースするメーカーは大幅に増えているにもかかわらず、製品を入手できないか、供給数が非常に限られていることにユーザーは気付いている。Dell'Oro Groupのタム・デローロ氏(創設者兼CEO、ワイヤレスLANアナリスト)は言う。
「供給制限により、2021年後半のWi-Fi出荷数は中国を除いて大幅に制限された。Wi-Fiエコシステムのメンバーは、この制限は2022年末まで緩和されないとみている」
ユーザーはWi-Fi 6EではなくWi-Fi 6を求めているとも警告している。メーカーはWi-Fi 6を優先しており、2023年にはWi-Fi 7製品を出荷すると同氏は予測する。Wi-Fi 7のスループットは最大30Gbpsで、Wi-Fi 6よりも約3倍高速になる予定だ。つまり、ユーザーはWi-Fi 6Eをスキップすると思われる。
「Wi-Fi 6Eの導入率が上がらないのは、供給制限に加えて6GHz帯の規制への準拠が導入プロセスを遅らせているためだ。準拠プロセスはまだ標準化されておらず、実装も容易ではない」(デローロ氏)
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