インフレに見舞われた英国では、企業や消費者の間で支出の見直しが進んでいる。スマートフォンなどの携帯電話料金もその対象だ。携帯電話事業者を選定する際の“価値観”さえも変わり始めているという。
英国全土でインフレが進行し、生活費危機が続く中、他業界と同様に通信業界にも経済的逆風が吹いている。こうした中、企業や消費者がスマートフォンなどの携帯電話に関する料金負担軽減のために、移動体通信事業者(以下、携帯電話事業者)の乗り換えを検討する傾向が強まっているという。
仮想移動体通信事業者(MVNO)Lyca Mobileの調査(注)によれば、回答者の65%が生活費の高騰を理由に携帯電話契約を再検討していた。MVNOは、移動体通信事業者(MNO)から通信設備を借りて事業展開する携帯電話事業者だ。
※注:調査会社Censuswideへの委託で、英国の携帯電話利用者を対象として2022年5月19日〜6月1日の間に調査を実施。調査対象は、英国の主要な携帯電話事業者であるVodafone、Telefonica UK(O2の名称で事業展開)、EE、Hutchison 3G UK(Threeの名称で事業展開)のいずれかと契約する携帯電話ユーザー1012人。
消費者は可能な部分で節約を模索している。2022年に携帯電話事業者の乗り換えを検討している回答者の73%は「コストパフォーマンスの良い他社プランへの移行」を主な動機として挙げた。
生活費危機は、MNOの固定客を揺るがしている。回答者の64%は自分の携帯電話事業者に愛着を感じると答えているが、家計への圧迫が原因でこの状況が変わる可能性がある。「現在のプランに料金を支払い過ぎている」との回答は41%に上った。
48%は「節約のみを目的として、積極的に新しい携帯電話事業者を探す」と答えた。35%は乗り換えが面倒というだけの理由で、現在の携帯電話事業者にとどまっている。英国全土で物価上昇が続いて、消費者が節約の手段を模索すれば、現在契約中の携帯電話事業者に対する愛着は減退しかねない。
後編は引き続きLyca Mobileの調査を基に、英国における携帯電話事業者選びのトレンドを探る。
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