「SIMカードを挿す」という、スマートフォン購入直後の“儀式”は過去のものになる可能性がある。デバイス組み込みのSIMカード「eSIM」が、急速に市民権を得つつあるからだ。調査結果を基に、eSIMの実態を探る。
デバイス内に組み込んだSIMカード「eSIM」(組み込み型SIM)は、スマートフォン以外のデバイスにも搭載が進みつつある。通信事業者向けソフトウェアベンダーAmdocsの調査は、消費者がいつプラスチック製のSIMカードに別れを告げ、eSIMのさまざまなメリットを享受し始めてもおかしくない状況にあることを解き明かした。
eSIM搭載デバイスを使うと、エンドユーザーはデバイスにSIMカードを挿入することなく、モバイルネットワーク事業者(MNO:Mobile Network Operator)の携帯電話プランを有効化できる。AppleやSamsung ElectronicsなどのデバイスベンダーがeSIM搭載可能デバイスの提供を進める中、Amdocsによると70カ国以上の200社を超えるMNOが、eSIMを提供・管理する体制を整えつつある。
市場調査会社Dynataは、Amdocsの委託を受けて、2022年8月に米国、英国、オーストラリアの18歳以上の消費者2500人を対象に、オンライン調査を実施した。その調査結果をまとめたレポート「The eSIM Consumer Pulse 2022」によると、回答者の81%はスマートフォンのeSIM専用化(SIMカードの挿入を不可能にして、eSIMだけを使用できるようにすること)に対して積極的に支持、あるいは前向きな態度を示す。MNOが自社サービスとしてeSIMを提供することを望む回答者は58%で、そうではないと答えた15%の4倍近くとなった。
Amdocsのテクノロジー&ヘッドオブストラテジーグループプレジデント、アンソニー・グーネティレケ氏は、通信業界全体がeSIMの採用を推し進めていることを肌で感じている。「消費者と通信事業者が、eSIMというエキサイティングな新しい技術のメリットと可能性への理解を深める中、eSIMに対する期待は今後も続く」というのがグーネティレケ氏の推測だ。
後編は、eSIMへの期待と、それに対する有識者の展望を紹介する。
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