「システムファウンドリー」という構想を、競合の主要事業者を巻き込みつつ立ち上げたIntel。この構想には、半導体の設計や組み立てなどを大きく変える可能性のある、さまざまな要素が関係している。
Intelが同業のSamsung Electronicsやファウンドリー(半導体製造)世界大手のTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)などを巻き込み、「システムファウンドリー」という構想を生み出した。複数の企業を巻き込むこの取り組みは、半導体の設計や製造を大きく変える可能性がある。Intelが披露した構想や技術とともに、具体的に見てみよう。
Intelは2022年9月の年次カンファレンス「Intel Innovation」で、CPUやGPU(グラフィックス処理装置)をはじめとした多彩な新製品を発表。戦略面ではシステムファウンドリーの計画について詳しく説明した。同社のシステムファウンドリーの役割には、
などが含まれる。このうちチップレットとは、プロセッサの構成要素をそれぞれ個別のチップにして、1つの基板に搭載する設計を指す。
CEOであるパット・ゲルシンガー氏がシステムファウンドリーについて説明した基調講演には、Samsung ElectronicsとTSMCの幹部も参加した。この基調講演でIntel、Samsung Electronics、TSMCの3社は、インターコネクト規格「Universal Chiplet Interconnect Express」(UCIe)を推進する業界団体UCIe Consortiumの支持を表明した。
UCIe Consortiumが目指すのは、UCIe準拠のチップレットがパッケージングの工程に組み込まれることであり、それをさまざまなベンダーのさまざまな技術に基づいて実現することだ。そのためには、さまざまな企業が協力できるオープンなエコシステム(協力や協業の体制)が必要になる。Intelによると、同社やSamsung Electronics、TSMCの他にも、半導体業界の80社以上の企業がUCIeの協業に参加する。
Intelはパッケージングの新たな技術として、「プラグ型コパッケージフォトニクス」のプレビューをIntel Innovationにおいて提供した。チップの接続を光に置き換える光接続を採用すれば、帯域幅(仕様上の最大データ転送速度)の向上が見込めるが、その半面、製造コストはかさむ可能性がある。その壁を突破する可能性があるのがプラグ型コパッケージフォトニクスだという。
プラグ型コパッケージフォトニクスについて、Intelの研究者は「製造を簡素化してコストを削減するプラグ型コネクターを用いた、歩留まりの高いガラスベースの技術だ」と説明する。これは将来の新しいシステムアーキテクチャやパッケージングの可能性を開くものになり得るとIntelは主張する。
Intelはファウンドリー関連の技術を担う企業を支援するため、10億ドルの基金「Intel Foundry Services Innovation Fund」を立ち上げた。同基金から、まずは以下の企業に出資する計画だ。
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