実は3つもあった「Windows 11のセーフモード」 それぞれの違いは?「Windows 11」のセーフモードとその使い方【第2回】

従来の「Windows」と同様、「Windows 11」はPCの問題解決に役立つ「セーフモード」を備える。実はセーフモードには3つの種類があることをご存じだろうか。それぞれどのような特徴があり、何が違うのかを整理しよう。

2022年12月25日 10時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 MicrosoftのクライアントOS「Windows 11」を搭載したPCが正常に動作しなくなったり、利用できなくなったりした場合、IT管理者はトラブルシューティングのためにPC診断ツール「セーフモード」の使用を検討すべきだ。

実は3つあった「セーフモード」 何が違う?

 Windows 11は3種類のセーフモードを用意する。これは「Windows 10」と同様だ。各セーフモードの違いを整理しよう。

  • セーフモード
    • Windows 11の基本的なグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)から成る。最小限のドライバとサービスのみを実行し、全てのネットワーク接続を遮断する。隔離環境でのファイルへのアクセス、アプリケーションの実行、問題の診断が可能だ。セーフモードの中で最も標準的であり、よく使われる。
  • セーフモードとネットワーク
    • 基本的には上述のセーフモードと同じように機能する。異なるのはネットワーク接続が可能な点であり、インターネットなどのネットワークにある他のコンピュータにアクセスできる。ただし上述のセーフモードと同様、セキュリティ保護を無効にするので、外部からの攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)になる。そのため使用には注意が必要だ。特にマルウェアの感染を調査する場合、使用には慎重になった方がよい。
  • セーフモードとコマンドプロンプト
    • GUIではなく、Windows 11のコマンド実行ツール「コマンドプロンプト」と同様のコマンドラインインタフェース(CLI)を使用する。通常のコマンドプロンプトと同様、フォルダ間の移動やプログラムの実行が可能だ。例えばPCの起動プロセス管理ツール「システム構成」を起動する場合は「MSConfig」、PCをすぐに再起動させる場合は「shutdown /r」といったコマンドを実行すればよい。主にIT管理者や上級ユーザー向けだ。

 3種類のセーフモードは全て、最小限のファイルやドライバ、機能で動作する。セーフモードで問題が発生しない場合、Windows 11自体の問題ではないと考えてよい。恐らく新しく追加したドライバやサードパーティー製アプリケーション、マルウェアが原因だ。


 次回は、Windows 11でセーフモードを起動させるための準備として、「オプションの選択」画面の表示方法を解説する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news054.jpg

「Threads」が月間アクティブユーザー1億5000万人を突破 今後Xを追い抜くための最善策は?
Metaはイーロン・マスク氏率いるTwitter(当時)の対抗馬として2023年7月にリリースした...

news060.jpg

Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき課題」1位は「ジェンダー平等」――SHIBUYA109 lab.調査
SDGsで挙げられている17の目標のうち、Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき...

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...