ハイブリッドワークが非生産的なのは誰もがやる“あの仕事”が原因?働き方における労働者の認識【中編】

Slack Technologiesが実施した調査では、ハイブリッドワークにおけるコミュニケーション不足などの課題が挙がった。ナレッジワーカーは特にどのような点に問題を抱えているのか。

2023年05月24日 05時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)以降に広がったハイブリッドワーク(オフィスワークとテレワークの組み合わせ)において、幾つかの課題が浮き彫りになっている。コミュニケーションツールベンダーのSlack Technologiesは英国のIT意思決定者350人とナレッジワーカー1650人を対象に調査を実施。2023年4月、調査レポート「How Productivity Platforms Can Power Business Impact」を公開した。

ハイブリッドワークの生産性を下げる原因は“あの仕事”だった?

 レポートによると、ナレッジワーカーの33%、IT意思決定者の35%が、ハイブリッドワークの移行により組織内コミュニケーションが減っていると答えた。パンデミック発生前はオフィスで雑談をしながら、チーム内で知見を共有したり、若手従業員のスキルアップの機会を作ったりすることができた。パンデミック発生後にハイブリッドワークに移行した組織では、そのような場を作りにくいという問題が浮き彫りになった。

 Slack Technologiesはこの問題を、特に18〜34歳のナレッジワーカーにとって重要だと指摘する。この年代の34%が、ハイブリッドワークの移行により同僚とのコミュニケーションが減っていることを問題だと回答。レポートによると、この年代はいつどこで働くかを個人が柔軟に選択できる働き方を重視する一方、同僚とのつながりや、上司から学ぶ機会が失われることを懸念する傾向にあると同調査は指摘する。

 レポートは、ハイブリッドワークにおける会議の時間と業務の生産性についても言及している。IT意思決定者の67%、ナレッジワーカーの60%が、会議の多さや不要な会議が時間の浪費につながっていると回答した。レポートによれば、ナレッジワーカーは週に7時間42分を会議に費やしている。

 顧客の課題解決や調査の分析といった集中力を要する仕事にナレッジワーカーが割ける時間は、1週間のうち9時間2分だった。会議の時間を減らすことで、本来注力すべき仕事に割く時間を増やし、生産性が上がる可能性があるとSlack Technologiesは指摘する。


 後編は、業務の生産性向上に対して技術の観点からできる方策について探る。

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