商用化に向けた準備が進む「6G」の実際の活用開始は数年後になる可能性が出てきた。6Gサービスを成功させるには、早い段階で知恵を絞らなければならない。そのポイントは何なのか。
「6G」(第6世代移動通信システム)は当初の見込みを前倒しし、早ければ2025年に活用が始まる可能性がある。6Gサービスの普及には、ユーザー目線に立ったサービス開発が重要だと、調査会社のInterDigitalとInforma Tech(Omdiaの名称で事業展開)は指摘する。両社の専門家が語る、6Gサービス普及のポイントとは。
InterDigitalとOmdiaは6Gサービスを普及させるために、「ユーザー体感品質」(Quality of Personal Experience)の追求が鍵を握るとみている。そのためには、ユーザーのニーズを正確に捉え、技術開発に反映させなければならないと両社は説明する。
Omdiaチーフアナリストのカミーユ・メンドラー氏によると、6Gサービスはモバイル通信における価値創出の軸を、「高速なインターネット接続」から「包括的なユーザー体感の提供」へと変える存在だ。「通信事業者はユーザー体感の良さをどう測定するかを考えることが重要だ」と同氏は述べる。
InterDigital技術戦略部門のシニアディレクターを務めるドナルド・バッツ氏は、6Gによって通信の遅延が減り、帯域幅(通信路容量)は大きく改善されると見込む。「そうした素晴らしい技術を生かし、ユーザーにとって何ができるのかを早い段階で明確にする必要がある」とバッツ氏は語る。
6Gサービスの商用化に当たり、ユーザーのプライバシーの保護をはじめ、技術面以外のさまざまな問題も考えなければならないとInterDigitalとOmdiaは指摘する。仮想空間「メタバース」といった、6Gを使うアプリケーションの開発に際しては、さまざまな業界が連携し、「通信」の視点にとどまらないようにすることも重要だと両社は強調する。
近年、ネットワークは「人とデバイスを結び付けるもの」から「人と人を結び付けるもの」へと変わりつつある。そのため、人間の感覚に訴えるユーザー体感の実現が重要になり、その実現に取り組む企業こそ、新たなビジネスチャンスをつかむことができる。
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