BroadcomのVMware買収について、英国政府が調査を進めている。この買収は世界各国の市場に影響を与えかねないため、調査の行方が注目されている。
半導体ベンダーのBroadcomが、仮想化ソフトウェアベンダーVMwareを約610億ドルで買収すると発表した件について、英国の競争・市場庁(CMA:Competition and Markets Authority)が懸念を表明した。
英国の法律事務所Fladgateでコンペティションパートナーを務めるアレックス・ハフナー氏は、今回の買収案件に対してCMAが取った行動は極めて重要だと述べる。その理由とは。
BroadcomもVMwareも世界各国で事業を展開している。そのため、各国で公正取引を監視する規制当局が今回の合併について調査している段階だ。ハフナー氏がCMAの行動を極めて重要だと述べた理由は、具体的な懸念を表明するものだからだ。「CMAの裁定は重要な基準点になり、今回の買収をまだ評価している他国の規制当局が、慎重に精査する可能性が高い」とハフナー氏は述べる。
ハフナー氏の分析によればCMAは、BroadcomがVMwareの持つサーバ仮想化ソフトウェア市場で有する支配的地位を利用して、サーバ仮想化ソフトウェア以外の関連市場でBroadcomのライバル企業にダメージを与えることを危惧している。
「CMAがこの考え方に固執するのであれば、当事者であるBroadcomとVMwareはその懸念を解消する方法を考えるために、想像力を働かせる必要がある」とハフナー氏は述べる。
後編は、CMAが調査に至るまでの経緯を、VMware側の動向も確認しながら解説する。
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