SSDの次世代技術「PLC」とは【第1回】
SSDの次の切り札「PLC」とは? 300TBは本当に実現するのか
次世代SSDを目指し、ストレージベンダーは「PLC」の商品化に向けて動いている。PLCとは何で、どのような利点があるのか。既に登場しているSSDの技術と共に見てみよう。
ストレージベンダーは、常にストレージの容量増加とコスト削減に取り組んでいる。その代表例がSSDだ。近年、容量が20TB以上のSSDが登場している。近い将来、SSDの1GB当たりの単価がHDDを追い抜いても不思議ではない。データ読み書きの性能は、一般的にはSSDがHDDを上回る。
次世代SSDを実現する技術として開発が進んでいるのは、記録方式の「PLC」(ペンタレベルセル)だ。PLCは従来のSSDの技術と比べて、どのくらいすごいのか。
「シングル」から「ペンタ」へ5倍の衝撃
PLCは1つのメモリセル当たり5bitのデータを記録する。ストレージベンダーは1つのチップに大量情報を記録しやすくすることで1GB当たりの単価を下げることができる考え、PLCを使ったSSDの商品化に意欲を見せている。
初代のSSDは、「SLC」(シングルレベルセル)によるNAND型フラッシュメモリを用いていた。SLCは名称に「シングル」と付く通り、1つのメモリセル当たり1bitのデータしか記録できなかった。その後に登場した記録方式は以下の通りだ。
- MLC(マルチレベルセル)
- 1つのメモリセル当たり2bitのデータを記録
- TLC(トリプルレベルセル)
- 1つのメモリセル当たり3bitのデータを記録
- QLC(クアッドレベルセル)
- 1つのメモリセル当たり4bitのデータを記録
ストレージベンダーが提供するQLCのSSDは、容量が30TBに達する製品がある。Pure Storageのように、48TBのSSDに相当する独自モジュールを提供するベンダーもある。QLCの登場によって、SSDの最大容量はHDDの最大容量を上回った。
PLCは1つのメモリセル当たり5bitのデータ記録が可能になることから、容量のさらなる増加が期待できる。Pure Storageの最高技術責任者(CTO)のアレックス・マクマレン氏は、「300TBの容量が今後10年以内に実現可能だ」と説明する。
PLCの開発を巡っては、データの書き込みに使われる微少電圧を管理するためのコントローラーとソフトウェアの進化が肝になる。ストレージベンダーはPLCの商品化を目指し、コントローラーとソフトウェアの開発に注力している。
第2回は、PLCの課題を考える。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
7
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
8
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
9
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
10
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー