「ChatGPT」をはじめとする生成AIツールは「人事部門に変革をもたらす」との見方がある。具体的に何をどう変革するのか。人事部門にとって、生成AIツールはどのように役立つのか。
テキストや画像などを自動生成する人工知能(AI)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)は、人事部門に「変革」をもたらす――。採用プロセス支援ツールを提供するBeameryの共同設立者兼プレジデントのスルタン・サイドフ氏は、こう考えている。サイドフ氏が言う変革とは、具体的には何を指すのか。
生成AIツールは人事部門のさまざまな日常業務を代行する存在になるというのが、サイドフ氏の見方だ。例えば履歴書を解析してその内容を構造化データに変えるといった業務は、人による手作業よりも生成AIツールの方が優れた成果を挙げられると同氏はみる。
「人事部門向けツールベンダーは例外なく、生成AI活用を真剣に検討しなければならない」と、人事業界アナリストのジョシュ・バーシン氏は主張する。生成AIは「ユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)を根本から変える新たな機会になる」とバーシン氏は考えている。
人事部門における生成AIツールの用途は、職種や役割ごとの業務内容をまとめたジョブディスクリプション(職務記述書)、求人票、人材育成計画、入社試験問題の作成などが挙げられる。特に社内研修や成長学習の機会を提供する「L&D」(Learning & Development)において、アシスタントやチューターといった形で、生成AIツールの活用が進む可能性があるとバーシン氏は予測する。
プレゼンテーションソフトウェアベンダーのBeautiful Slides(Beautiful.aiの名称で事業展開)は、同社の製品に生成AIを組み込んでいる。例えばプレゼンテーション用のスライドを作成する人は、Beautiful Slidesの製品を使ってレポートを要約し、箇条書きのスライドを作成できる。こうした機能は「時間を節約してくれる」とCEOのジェイソン・ラップ氏は言う。
ラップ氏は、AI技術ベンダーOpenAIの「ChatGPT」をはじめとする生成AIツールが、長期的にどのような役割を担うのかに興味を寄せている。Beautiful Slidesは2023年3月、米国の3000人の管理職を対象にした調査レポート「The Future Of AI In The Workplace: A Survey Of American Managers」を発表した。この調査によると「仕事の内容が同等であれば、AIツールを従業員の代わりに利用する」と考える管理職は66%に上った。
「今のところ生成AIツールは、人に取って代わる段階にはない」とラップ氏は言う。生成AIツールで正しいアウトプットを得るには、現時点では「まだ人の知能による助けが必要だ」と同氏は指摘。ただし将来的には「人の知能がそれほど必要なくなる可能性がある」とみる。
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