「Java」における「int」と「Integer」は、いずれも文字通り整数を扱うための仕組みだ。ただしintとIntegerには根本的な違いがある。それぞれの基本的な特徴を整理しよう。
プログラミング言語・実行環境の「Java」には、整数を扱うための仕組みとして「int」と「Integer」の2つがある。“字面”だけで判断して「intもIntegerも同じであり、intはIntegerの略に過ぎない」と考えてはいけない。intとIntegerは名称は似ているものの、それぞれの特徴は大きく異なる。どのような違いがあるのか。
Javaにおいて、intは整数を表すための変数の型(数値や文字列といったデータの種類)を指す。intは、Javaが標準で用意する8つの型「プリミティブ型」の1つだ。
Integerは、フィールド(データ)とメソッド(処理)をまとめたオブジェクトとして、intを利用できるようにするクラス(オブジェクトの設計図)を指す。このようにオブジェクトとしてプリミティブ型を利用可能にするクラスを「ラッパークラス」と呼ぶ。
Javaでintの変数を宣言すると、その変数は代入した整数を表すだけだ。それ以外の情報を提供することはない。つまりintについて、以下のことが言える。
intの変数は、保持する値を計算や比較に使用することしかできない。以下にintの変数を使ったJavaのソースコード例を示す。
int x = 10; // intの変数「x」を宣言し、初期値として10を代入する。 int y = 20; // intの変数「y」を宣言し、初期値として20を代入する。 int sum = x + y; // intの変数「sum」を宣言し、初期値としてxとyを加算した結果を代入する。 int difference = x-y; // intの変数「difference」を宣言し、xからyを減算した結果を初期値として代入する。 boolean flag = (x == y); // boolean(真偽値を扱う型)の変数「flag」を宣言し、xとyが等しい場合は「true」、異なる場合は「false」を代入する。
次回は、intとIntegerの違いを掘り下げる。
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