IT業界の課題であるスキルギャップの解決手段として英国技術者の約7割が「女性の雇用」を挙げた。では実際、企業は「女性の雇用」に力を入れているのか。
IT業界が古くから抱えるスキルギャップ(仕事に必要なスキルと、従業員が持つスキルの差)の課題を解決しようとするのであれば、IT業界は女性の雇用に目を向けるべきだ――。英Computer Weeklyと米TechTargetが実施した「IT分野の報酬に関する年次調査」によると、英国の技術職の67%が、技術系人材不足を解決する答えは女性の雇用にあると考えていた。だが実態は全く違う。
「自社がITチームの男女比率を改善する計画を立てている」と答えたのは40%に過ぎない。
調査に回答した技術者の約10%は、「女性を雇用してもスキルギャップには影響しない」と答えた。16%は「自社の技術系部門で男女の多様性(ダイバーシティー)を改善する計画はない」と答えた。
IT業界には大きなスキルギャップが存在し、企業は必要な人材を確保するのに苦労している。それなのに、IT業界では男性に比べて女性を見かけない。IT業界は、女性が働きにくい職場環境を作り、女性が技術職に就くのを意図的に妨げることで、活躍できるはずの女性の人材を逃している可能性がある。
同調査の回答者のうち女性はわずか18%だ。これは業界平均の約22%よりも低い。全回答者の約4分の1は、「技術職で上位の職務に就いている女性の数は十分ではない」と確信している。
「IT業界に女性を受け入れる包括性(インクルージョン)の文化を醸成する取り組みにもっと男性が関与する必要がある」と考える回答者は半数を超えた。これは2022年の23%から大幅に増加した。
次回は、ダイバーシティーとインクルージョンを推進するに当たって企業が実施すべきことを紹介する。
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