Sterlite Technologiesは、30カ国の国籍を有する従業員それぞれに喜んでもらえる福利厚生施策を用意するために、あるITツールを採用した。それは何か。
従業員の定着率と、従業員エンゲージメント(組織との信頼関係)を改善するために、企業のIT部門と人事部門には何ができるのか。事例を基に考えてみよう。光ファイバーメーカーSterlite Technologies(以下、STL)は、従業員の定着率を高めるために“ある施策”に着手した。
STLにとって重要な検討事項は、30カ国の国籍を有するそれぞれの従業員に魅力的な福利厚生を確実に導入することだった。同社は人事コンサルティング企業Mercerが提供する国際赴任支援ツールを導入した。このツールを活用したのは、人事賞罰、報酬、福利厚生を管理するチームだ。目的は、多種多様な業界、分野、地域ごとに、最も人気の高い福利厚生をリアルタイムに把握することだった。
STLで最高人事責任者を務めるアンジャリ・バイス氏によると、チームは「潜在能力の高い人材を定着させる」という目標を掲げている。国際赴任支援ツールから得られた情報は、従業員に「充実した福利厚生のパッケージ」を提供するために使用しているという。
並行して、報酬施策の刷新も進めているという。全拠点で施策に一貫性を持たせるために、報酬を管理する仕組みをオンラインサービスにした。同社の従業員は報酬ポイントを集めて、さまざまな製品やサービスを割引利用できるようになる。報酬の内容はハンググライダー教室や料理教室など、好みに応じたものを選べる。
こうした活動の狙いは「従業員が会社にとどまりたいと思う環境や文化を確実に作り出すことだ」とバイス氏は語る。これは1つのツールを利用するだけでは達成できない。必要なシステムを慎重に選定し、万人にとってポジティブな従業員エクスペリエンスを築き上げることがポイントだ。「誰が上司であろうと関係はない。先進技術を使いながらも、人間的な触れ合いがあることが、豊かな環境を生み出すのだ」(バイス氏)
第5回はInvestors in People Community Interest Companyが、テレワーク中の従業員同士の交流を活性化させるためにコミュニケーションツールをどのように使い分けたのかを解説する。
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