企業の認証やアクセス制御のプロセスには幾つかのリスクが潜んでいる。AI技術を活用することで、セキュリティチームはこのリスクをどう防げるのか。
行動分析や異常検出を得意とするAI(人工知能)技術は、攻撃の検出や初期対処だけではなく、ユーザーの認証やアクセス制御のセキュリティ強化にも使える。認証やアクセス制御にはどのようなリスクがあり、AI技術はその低減にどう役立つのか。
セキュリティチームはAI技術を活用して、本人確認のプロセスやアクセス制御などのセキュリティを強化できる。企業にはさまざまな役割や職責を持つ従業員が在籍し、それぞれが異なるアクセス権を持つ。アクセス権限を手作業で管理していると、従業員が本来はアクセス権限のないシステムにアクセスできる抜け穴ができてしまうリスクを生む懸念がある。そうしたリスクを低減するために、将来的にはAI技術を使ってポリシーを自動的に設定することが一般的になる可能性がある。
一例としてアイデンティティー(ID)管理サービスベンダーSailPoint Technologiesの取り組みを見てみよう。同社が提供するID管理サービスはAI技術を使用して、企業の効率的なアクセス権限管理を支援する。具体的には、エンドユーザーの行動パターンを継続的に監視して、その内容を基に適切なIDに適切なタイミングで適切なアクセス権限を付与する。セキュリティチームにインサイト(洞察)を提供し、ユーザープロファイル(エンドユーザーのデータや設定)への不審なアクセスを明らかにしたり、管理者に自動修正を提案したりすることも可能だ。
第3回は、AI技術が企業のITサービス管理(ITSM)とIT運用管理(ITOM)に与える影響を紹介する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
イノベーションの加速とともに、セキュリティやレジリエンスの維持などさまざまな課題が顕在化している金融サービス業界。課題の中身を確認しながら、その解決策として期待されるAI活用の有効性や実装方法を紹介する。
金融業界においてAIツールの活用が進んでいる。一方で、セキュリティ面の不安を抱えている金融サービス企業は少なくない。このような懸念は、リスクとメリットを考慮して、AIと機械学習の戦略を策定することで解消できる。
AI技術は進化を続け、人間の仕事の一部はAIによって代替可能になる。AI技術に代替されにくいITエンジニアの職種とは何か。ITエンジニアはどのようなキャリアを歩むべきなのか。
AI活用には処理スピードが重要となる。特に、大規模言語モデルのトレーニングでは、長期的に稼働できる強力なコンピュート性能も求められる。そこで注目したいのが、AIモデルのトレーニングを加速させるスーパーコンピューティングだ。
AIを使ったイノベーションの推進が期待されているが、組織全体にAIを導入するためにはいくつかの課題を解消することが必要だ。開発や分析を担うエンジニアやデータサイエンティストのニーズに応えながら、組織全体にAIを導入する方法とは?
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。