世界的なスマートフォン市場の需要低迷が続く中、今後の市場動向はどのような見通しなのか。「iPhone」と「Android」機種の売れ行きはどうなのか。出荷状況を基に探る。
スマートフォン市場は全体としては低迷が続いているが、その中でも明暗がはっきりと出ている。調査会社Informa(Omdiaの名称で事業展開)が発表した2023年上半期の世界スマートフォン市場の出荷状況を基に、「iPhone」と「Android」機種のモデル別の傾向を整理する。
2023年上半期におけるスマートフォン出荷台数のトップ10には、Appleから5機種がランクインした。残りの5機種をSamsung Electronicsが占めた。Samsung Electronicsの機種で出荷台数トップだったのは「Galaxy A14」で、1240万台を記録。全体のランキングで5位に入っている。2022年における「Galaxy A13」の売れ行きと比べると、Galaxy A14は出荷台数、順位とも低調だ。
Samsung Electronicsのプレミアムモデル「Galaxy S23 Ultra」は2022年上半期の「Galaxy S22 Ultra 5G」と同じ6位を堅持しているが、Galaxy S22 Ultra 5Gが980万台の出荷台数を記録したのに比べると、Galaxy S23 Ultraは960万台で20万台減だった。7位以降に「Galaxy A14 5G」「Galaxy A54 5G」「Galaxy A34 5G 」がランクインしている。
Appleが2022年9月に発売した「iPhone 14 Pro Max」は出荷台数で1位になった。iPhone 14 Pro Maxは「iPhone 14」シリーズの中では最上位のモデルだ。2位にランクインした「iPhone 14 Pro」は、iPhone 14シリーズの中ではiPhone 14 Pro Maxの次に高額な機種だ。「iPhone 14」は3位に入っている。
2022年上半期の出荷台数トップ10には中国のスマートフォンメーカーXiaomiの「Redmi」シリーズの2機種がランクインしていたものの、2023年上半期のトップ10に同社の機種は入らなかった。この動向についてOmdiaは、ミッドレンジモデルからローエンドモデルのスマートフォン市場が低迷しており、中国のスマートフォンメーカーの出荷台数が2022年以降に減少を続けていることが原因だと指摘する。
スマートフォン市場の今後の動向について、Omdiaは世界のスマートフォンの出荷台数は2023年に減少を続けると予測している。特に、ミッドレンジモデルからローエンドモデルの市場における低迷が続く。プレミアムモデルの市場については、「iPhone 15」シリーズが発売されたことで、2023年下半期に引き続き出荷台数が増加する見込みだ。
Omdiaでモバイルデバイス市場のシニアリサーチマネジャーを務めるジュシー・ホン氏はこう語る。「GoogleのモバイルOS『Android』を搭載するスマートフォンは、ミッドレンジモデルからローエンドモデルの市場において引き続きマイナス成長を記録するのを避けられない」
プレミアムモデルの需要が堅調なことから、ホン氏はAppleのiPhone ProやiPhone Pro Maxの出荷台数は増加傾向が続くと指摘する。Appleのスタンダードモデルは2022年と同程度か、若干減少すると見込んでいるという。
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