老舗シューズメーカーBlundstoneは、クラウドERP「Dynamics 365」を導入。「年末商戦がうまくいったのはDynamics 365のおかげ」だと語る。Dynamics 365を短期間で導入するために、同社がこだわったポイントは。
オーストラリアの老舗シューズメーカーBlundstone Australia(Blundstoneの名称で事業展開)は、レガシーなERP(統合業務)システムからMicrosoftのクラウドERPシステム「Dynamics 365」に移行した。
導入プロジェクトを主導したのはITコンサルティングサービス企業Avanadeだ。BlundstoneがDynamics 365導入に踏み切ったのは、旧ERPシステムの老朽化だけが理由ではない。約70カ国で製品を販売するBlundstoneのような成長企業にとって、オーストラリア、ニュージーランド、米国にまたがる業務を支える基盤としてクラウドERPは必須だったという。
Dynamics 365の導入後、Blundstoneでは注文処理や在庫管理といったビジネスプロセスに掛かる時間の短縮や作業の自動化、サプライチェーンにおける需要予測の精度向上といった成果が得られた。年末商戦で記録的な売り上げを達成できたのは、Dynamics 365があったからだと同社は考えている。同社はDynamics 365が標準で搭載するサイバーセキュリティ機能や災害復旧機能を特に評価している。
ビジネスの迅速性、事業規模に応じた効率性、業務自動化、データドリブンな意思決定、ITインフラのコスト削減など、Dynamics 365によってBlundstoneが実現した成果はさまざまだ。出荷プロセスを迅速化しただけではなく、生産から出荷までのビジネスプランニングも自動化した。それに伴い、スプレッドシートによる手作業での情報管理を廃止した。
Blundstone Australiaの最高技術責任者(CIO)であるマシュー・マン氏は、「われわれは大規模かつ多様なプロジェクトをうまく管理しながら、成長に伴って革新できるERPシステムを必要としていた」と説明する。その上で「Avanadeのノウハウと能力のおかげで短期間のうちにシステムを刷新し、過去最高の業績を達成できた」と振り返る。
マン氏によれば、Blundstoneは「安定したデジタルインフラの構築」が事業戦略の要だと考えていた。Dynamics 365の導入に当たってはAvanadeと緊密に連携し、すぐに役立つ機能に重点を置いて展開したおかげで、Blundstoneは年末商戦の前にDynamics 365を実運用する準備を整えることができた。「時間は特に重要だった。われわれには新しいプロセスを学習する時間的余裕はなく、年末商戦のピークに備えて準備する必要があった」と同氏は説明する。
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