「Office 365」「Microsoft 365」「Windows 365」の混同しがちな違いとは?Microsoftの「365」系サービス【第1回】

Windowsやオフィスアプリケーションなど、Microsoftの製品やサービスを利用する選択肢は多様になっている。「Microsoft 365」など「365」が名称に付く幾つかのサービスにはどのような違いがあるのか。

2023年12月17日 10時30分 公開
[Gary OlsenTechTarget]

 Microsoftは「Office 365」「Microsoft 365」「Windows 365」など、名称に「365」を含めた複数のサービスを提供している。いずれも名称に「365」が付くので混同してしまいがちだが、似ている部分もあれば全く異なる部分もあるので、違いを押さえておくことが欠かせない。Office 365、Microsoft 365、Windows 365のそれぞれの違いを整理しよう。

「Office 365」「Microsoft 365」「Windows 365」の中身とそれぞれの違い

Office 365

会員登録(無料)が必要です

 Office 365はオフィスアプリケーションをサブスクリプション型で提供するクラウドサービスだ。ソフトウェアとしてインストールする従来の利用方式と比べて、エンドユーザーや企業にとっての保守やライセンス調達の負担が軽減する。対象のアプリケーションには文書作成ツールの「Microsoft Word」や表計算ツールの「Microsoft Excel」といったオフィスアプリケーションや、コラボレーションツールが含まれる。

 Office 365の旧プランは基本的にはMicrosoft 365に統合される形になったが、大企業向けを含む一部のプランはOffice 365のプランとしてMicrosoftから提供されている。

Microsoft 365

 Microsoft 365が登場したとき、Microsoft 365は「Office 365の後継サービス」だと考えられていた。だがサービス内容が全く同じというわけではない。「Microsoft 365がOffice 365の後継」という捉え方は部分的には間違ってはいないが、完全に正しいわけではない。Microsoft 365のプランにはOffice 365のアプリケーションに加えて、Windowsのライセンスや、端末管理やセキュリティに関する機能が含まれているものがある。

Windows 365

 Office 365とMicrosoft 365よりも新しいのがWindows 365だ。Microsoftは、公式ページでWindows 365を「Windows 365 Cloud PC」として紹介している。これはMicrosoftがOSとしてのWindowsをサービスとして提供する仮想デスクトップサービスだ。エンドユーザーはインターネットを介して、Windowsのデスクトップを利用できる。クラウドサービスの一種である「Desktop as a Service」(DaaS)の位置付けになる。

 MicrosoftがWindows 365を「クラウドPC」と呼んでいるところに、Office 365やMicrosoft 365との大きな違いが表れている。基本的にはWindows 365はOSを対象としているため、Office 365やMicrosoft 365とは別物として考えた方がよい。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品レビュー 株式会社ソフトクリエイト

Windows 11アップデートで発生しやすい問題とは? 円滑なOS移行方法を解説

Windows 10のサポート終了が迫り、Windows 11へのアップデートを考えている組織も多いことだろう。当然、アップデートには失敗したくないはずだ。ポイントを本動画で把握して、スムーズなOS移行を実現したい。

製品資料 株式会社ソフトクリエイト

Windows 10のサポート終了間近、移行の不安を解消する移行支援サービスとは?

2025年10月14日をもってWindows 10のサポートが終了する。終了後は更新プログラムやセキュリティパッチの提供が停止されることから、セキュリティリスクの増大などが懸念されている。自社に最適な移行を進めるためにどうしたらよいのか。

製品資料 株式会社ソフトクリエイト

PC運用管理をモダナイズすべき理由と、Windows 11時代のベストプラクティス

ハイブリッドワークの定着により、従来のPC運用管理の限界が見えてきた。多様な働き方と、セキュリティ・効率・柔軟性を両立させるためには、クラウドを前提とした新しい管理の形となる「PC運用管理のモダナイズ」が求められている。

製品資料 AvePoint Japan株式会社

権限管理をシンプルに、Microsoft SharePoint管理のベストプラクティス

Microsoft SharePointは便利かつ柔軟性の高いツールであるがゆえに、「運用管理が複雑化する」「セキュリティ対応が難しい」といった課題も起きやすい。具体的にどのような課題が発生しやすく、どうすれば解決できるのか。

製品資料 グーグル合同会社

企業セキュリティの最前線となるブラウザ、安全性を左右する重要機能とは?

ブラウザは企業にとって重要なエンドポイントの1つだ。攻撃の表面として扱われているため、セキュリティの複雑性も増し、脅威への対応を高度化する必要が生じる。そこで本資料では、企業向けブラウザの強みについて解説する。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...