「採用活動を生成AIで効率化したい」と考えるのは企業も求職者も同じだ。どのような利用方法なら「健全」と言えるのか、採用担当者は生成AI利用のルールを検討する必要に迫られている。
テキストや画像などのデータを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)がさまざまな分野で活躍の場を広げている。企業にとって採用活動の効率化に生成AIが役立つのと同様に、求職者にとっても生成AIは効率化の役に立つ。
調査会社Gartnerで人事業務担当シニアリサーチディレクターを務めるジェイミー・コーン氏は「履歴書作成に生成AIを使うのは、履歴書作成の代行サービスや添削サービスを利用するようなもの」と例え、生成AIの潜在的なメリットがあることに同意を示す。ただしコーン氏は、企業の採用担当者が求職者の実力を見極めることがますます難しくなると警告する。
コーン氏は、生成AIが生成した受け答えの中から本質を見抜くための面接技術を、採用担当者が身に付けることが重要だと主張する。Gartnerの調査データによると求職者の半数近くが、履歴書と添え状の作成、執筆課題の作成、質問に対する回答に生成AIを使用している、と同氏は説明する。「採用活動において生成AIがもたらす影響を克服する鍵は、求職者に自身の思考プロセスを明確に説明させることだ」(同氏)
アイオワ大学ティッピー経営大学院(University of Iowa Tippie College of Business)のエミリー・キャンピオン氏は、生成AIを使って生成した文章は汎用(はんよう)的な内容になりがちであり「生成AIの役割は出発点を生み出すことに過ぎない」と指摘する。「求職者が職務経歴書や履歴書の作成に際して、生成AIを使うか、自力で書くか、専門家に相談するか、どれを選ぶにしても、自身のスキルや経歴を正確かつ簡潔にまとめるには時間が掛かるものだ」(キャンピオン氏)
企業も同様に、選考プロセスでAI技術を使うかどうかにかかわらず、重要なのは「自社の評価方法が、求職者の業務遂行能力を予測できる状態かどうかを監視し続けること」だとキャンピオン氏は強調する。
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