バックアップの手法にはフルバックアップの他に、「差分バックアップ」と「増分バックアップ」がある。バックアップの頻度を高める場合、これらのバックアップ手法をどう使い分ければいいのか。
データのバックアップでは「頻繁に」「網羅的に」という2点を徹底することでデータ保護の対策を強化することが可能だ。だが、全データを完全に複製する「フルバックアップ」を毎回実施するのでは時間もコストもかかる。そこで時間やコストを節約するための選択肢になるのが「差分バックアップ」と「増分バックアップ」だ。これらの手法は何が違い、どう使い分ければいいのか。
バックアップの効率を高める手法の一つに、自動化がある。自動化によってバックアップ担当者の負荷を軽減することができるので、バックアップの回数を増やしやすくなる。とはいえ自動化を取り入れてバックアップを実施したところで、エラーが発生していないかどうかを確認するなどの作業は必要なので、負担が増える懸念は残る。
フルバックアップには時間がかかるので、毎日取得できるとは限らない。差分バックアップまたは増分バックアップであれば、フルバックアップほど時間がかかることはない。その違いは次の通り。
例えば、日曜日にフルバックアップを実施したとしよう。差分バックアップだと、月曜日は月曜日に変更されたデータ、火曜日は月曜日と火曜日に変更されたデータ(2日分)がバックアップの対象になる。そのため、バックアップのデータ量が累積で増えていく。
一方で増分バックアップでは、月曜日は月曜日に変更されたデータ、火曜日は火曜日に変更されたデータのみがバックアップの対象になる。そのためバックアップのデータ量は、差分バックアップほどには増えない。
一般的には、これらのバックアップ手法を組み合わせて運用すると、バックアップの対策強化と、時間やコストとのバランスを取ることができる。例えば週末にフルバックアップを取得し、その後は差分バックアップか増分バックアップのみにする。そうすれば、時間のかかる“重たい作業”を週末だけに集中させることができる。バックアップ頻度を高めたい企業は、まずはこの方法を採用するとよい。
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